セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 32 号 2008年 7月 1日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。

楽しくお読みいただけたら幸いです。

連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
1〜22号 「自分の心に出会える本」より
23号〜  新連載「自己形成学の創造」より

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

第32号より、セルフカウンセリングのプログラムに取り組み、新たな自己発見をした方々の、体験談を紹介していきます。

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「セルフ・カウンセリングの方法」 渡辺康麿著 より抜粋
(vol . 1 )

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苦手な人とうまくつきあう
ー セルフ・カウンセリング ケーススタディ 1 ー
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☆★☆ 苦手な人とうまくつきあう ☆★☆

好き・嫌い・苦手意識の奥にあるもの

サラリーマンの辛いことの一つに、自分の部下や上司を自分では選べないということがあります。
仕事はひと通り覚えてしまえば、あとはそれなりに工夫もできます。
けれども人は、自分の思うようには動いてはくれません。
上司や部下の中には、必ずと言っていいほど、苦手とするタイプの人がいるものです。
そのような人物と一緒に仕事をしなくてはならない場合、トラブルを起こさないようにしようとして、 気づかないうちに自分の感情を抑えてしまっていることがあります。
そういう状態がつづくと、だんだんイラ立ちがつのります。
そして、ついには相手の顔も見たくない、声を聞くのも嫌だということになります。
そんな状態ですと、思わぬときに八つ当たりの形でイラ立ちを爆発させてしまうことにもなりかねません。
そんなことにならないようにと、さらに自分のイラ立ちを抑え込んでいると、会社へ行く気力さえなくなってしまいます。
では、苦手なタイプの人と一緒に仕事をすることになった場合、どのようなことを心がけたらいいのでしょうか。
どんな人を苦手と感じるかは、人によって違います。

例えばある人は、上司が几帳面過ぎて嫌だと言います。
反対に、ルーズ過ぎるから嫌だと言う人もいます。
先輩に対して、何も教えてくれないから嫌だと言う人もいますし、何にでも口を出し、教えたがるところが嫌だと言う人もいます。
どうして、人によって好き嫌いの違いが生じてくるのでしょうか。
実は、このように、人が誰かを好きだとか嫌いだとか思う感情の奥には、その人自身の欲求や価値観があるのです。
私たちが相手を好ましく思うのは、相手が自分の期待や価値観にかなった言動をしているときではないでしょうか。
反対に、相手が自分の欲求を満たしてくれないときや、期待や価値観に反する言動をするとき、相手を嫌だと感じるのではないでしょうか。
そこで、誰かが苦手だ、嫌だと感じた場面を具体的に思い出し、そのときの自分の気持ちをできるだけくわしく書いてみてください。
すると相手に対する自分の欲求(期待)や価値観が見えてきます。
自分の欲求を言葉に書き表わし、ハッキリ自覚できると、その欲求につき動かされることから自由になります。

苦手な相手に対してどのように関わればよいかを、考える工夫ができるようになります。
自分自身の欲求がしっかりと自覚できると、相手の気持ちを逆なですることなく、自己実現ができるようになるのです。

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タイトル 「アイツと一緒に働きたくない」 [男性・33歳]
(ケーススタディ1ー前半)

【研究動機】

私は、入社して十二年目になります。
二年前に現在の係へ配属されました。
そこには自分が苦手とするタイプの年長者の山本さんがいました。
私は、この山本さんの隣の席につくことになりました。
一年目は古参の係長が係をまとめていましたので、問題なく過ぎました。
が、二年目になり、係長の異動があって山本さんが一番の古参になったのです。
それとともに山本さんのわがままが目立って増え始め、係の若い人たちの間で山本さんに対する不満がたまってきました。
しかし、新しい係長は山本さんへの遠慮があるのか、何も言いません。
山本さんをのぞけば、私がその係では一番年上でしたので、係の者は私に山本さんのことについて相談に来るようになりました。
今、私は、山本さんに対してどのように対応したらよいのか、係長にはどう伝えたらよいのか苦慮しているところです。
何かしらよい方法がないかと思い、セルフ・カウンセリングに取り組んでみました。

【場面説明】

日時 ○月○日 終業時刻のころ
場所 会社の事務室
登場人物 
課長(男性、46歳) 係長(男性、43歳) 山本さん(男性、40歳)
私(羽田・33歳) 鈴木君(男性、25歳) 田中さん(女性、24歳)

【状況説明】

グループの仕事の量が増えたので、その日、係長が仕事の割り振りをし直しました。
終業時刻のチャイムが鳴ったとき、私は仕事を終えて帰ろうとしていましたが、 他のメンバーはそれぞれ席でまだ仕事をしていました。

【場面記述】

私は〈今日は残業をしないで、あいつ(ガールフレンド)と酒でも飲みに行こう〉と思った。

山本さんは「羽田君は仕事が速いよなあ。
このプランA3は、もともとは羽田君の仕事だったんだよな。
これ、急ぎだからやってくれないか」と言った。

私は〈さっき係長が分担を決めたばかりだろう。
なぜ、そのときにやれませんと言えないんだ。
責任逃れをしようとしているな。
まあいいか、引き受けてやるか〉と思った。

私は「別にいいですよ。
今日は残業できませんが、明日からやりますよ」と言った。

山本さんは係長のほうに行った。

私は〈自分で係長に了承を得るのかな〉と思った。

山本さんは「係長。
今、来年度の計画実施プランを立てているので、プランA2の仕事はできませんよ」と言った。

私は〈何だ。プランA2のほうを先にやるべきだろう。
おれにA3の仕事を押しつけて、A2の仕事まで誰かにやらせようというのか。
わがままな奴め〉と思った。

係長は、私のほうを見て「羽田君、来年度のプランはいつまでだったかな」と言った。

私は〈係長は、おれを頼っているんだ〉と思った。

私は「10月末までです。
すいません。
私もその仕事はまだ終わっていません」と言った。

係長は「羽田君、悪いがプランA2を受け持ってくれないか。
急ぐんだ」と言った。

私は〈係長は、山本さんにきちんと言えばいいじゃないか。
山本さんにやらせばいいものを、何でおれがやらなきゃいけないんだ。
しっかりしろよ〉と思った。

私は「先週も、プランA1を急ぐからというので仕上げたばかりですよ。
プランA3も、山本さんから今引き受けたところですよ。
A2も、また私ですか」と言った。

係長は「悪いが、頼む」と言った。

私は〈毎週、急に同じことをされてはたまらない。
ここではっきり言っておこう>と思った。

私は「私一人でできる仕事であればやりますが、先週の仕事も鈴木君たちに夜遅くまで集計を手伝ってもらって完成したのです。
引き続きというのはみんなに気の毒です」と言った。

係長は「田中さん。
簡単な仕事だから、君が中心になってプランA2の資料作成を仕上げてくれないか」と言った。

私は〈簡単だと言うのなら、係長が割り振ったとおりに山本さんにやらせたらいいじゃないか。
田中さんが担当になれば、結局、おれが手伝わなくてはならなくなる>と思った。

田中さんは「はい。わかりました」と言った。

私は〈田中さんに押しつけてしまったなあ。
私がやると言えばよかったなあ〉と思った。

課長が部屋に入ってきた。

課長は「吉田係長」と言いながら、近づいてきた。

私は〈会議が終わったのだな〉と思った。

課長は「プランA2の発注先だが、会議でもめてね。
R社にしてくれってことなんだ。G社はうまく断ってくれ」と言った。

私は〈そうか。やはり、おれもG社はまずいと思っていたんだ。 よし、うまくやってやろう〉と思った。

私は係長に「係長、G社には、私が電話しておきましょうか」と言った。

山本さんは「おまえには無理だ。
おれが電話する」と言った。

私は〈仕事をおれに押しつけておいて、無理だなんて言わせないぞ。
お前が上司ではないだろう。
命令権はないぞ。
勝手な奴だ!係長!しっかりしろよ!〉と思った。

係長は、山本さんのほうを向いていた。

 私は  「すいませんが、断りの電話をお願いします」と言った。

私はすぐに席を立ち、イスをドンと音を立てて片づけた。

私は更衣室に行って、上着を着ながら〈おれが、すいませんとかお願いします、なんて言う必要はなかった。
腹の虫が治まらない。
あいつはもう帰ってしまっただろうなあ。帰るか>と思った。

私はカバンを取りにデスクへ戻った。

山本さんが一人、デスクにいた。

山本さんは「係長は、仕事がまだわかってないなあ」と言った。

私は〈わかってないのはあんたでしょう!
話をするのも嫌だ!〉と思った。

私は「お先に」と言った。

山本さんは「もう帰るのか」と言った。

私は〈あんたの相手なんかしていられないよ。 今日は一人ででも飲まずにはいられない!〉と思った。

【記述による発見】

☆★私は何を怒っていたのだろう★☆

以下、次号(ケーススタディ1ー後半)に つづく・・・

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