セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 41 号 2008年 11月 15日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。

楽しくお読みいただけたら幸いです。

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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
   1〜22号   「自分の心に出会える本」より
   23号〜    「自己形成学の創造」より
   32号〜 新連載「セルフ・カウンセリングの方法」より

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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第32号より、セルフ・カウンセリングのプログラムに取り組み、 新たな自己発見をした方々の、体験談を紹介していきます。

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「セルフ・カウンセリングの方法」 渡辺康麿著 より抜粋
(vol . 10 )

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ー セルフ・カウンセリング ケーススタディ 5 ー
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タイトル「仲間はずれになるのが怖い」   [女性・24歳]
        ( ケーススタディ5 − 後半 )

前号からの続きですので、バックナンバー40号からお読みいただくとわかりやすくなっています。

【場面洞察をして】

☆★☆うわっつらだけのやさしさだった☆★☆

この記述の一文一文を、私は洞察してみました。
A子が岡田部長の悪口を言ったあと、私はA子に対して、心の中で“責める感じ”をもっています。
「コピー機が紙づまりしてたんです、って言えばいいのに〜」と言ったときは、“たしなめる感じ”でした。
“責める感じ”にしても“たしなめる感じ”にしても、私がA子に対して否定的な感情を抱いていたということに変わりありません。
私の心の中には、A子を否定する気持ちがあったのです。
〈やさしく言ったのに〉という心のセリフがありますが、私のやさしさとはうわべだけだったのだ、と気づかされました。
それにA子に対して、〈岡田部長のこと誤解しないで欲しい〉という欲求がありました。
この欲求を客観的に見つめてみたとき、私は〈人の上に立ち、人を使うことがどんなに大変なことか、私は間近でいつも見ているんだ。
でも、みんなは見ていない。
だから気軽に悪口が言えるのかもしれない。
気楽に上司の悪口を言えるみんなと、へだたりができてしまうのはしかたのないことかもしれない〉と思いました。

☆★☆仲間はずれにされるのを恐れている私☆★☆

B子の「きみよの前で、エライ人の悪口言うなって」という言葉を聞いて私は不安になったのです。
岡田部長と親しいということを、自慢してるみたいに聞こえたのだろうか。
“自分が抜擢されたからって自慢するなんて、ヤな女”と思われたくない、という気持ちだったのです。
そして、みんなから仲間はずれにされたらどうしようという不安があったのです。
だから、ドラマの話題に変わってから、私は仲間はずれにならないように、何とかしてA子によく思われようと必死でした。
A子が「私は、なるみのほうが好きー!」と言えばすかさず、「なるみも、いいときあるようねー」とか、 A子の言ったことに迎合することで、ご機嫌を取ろうとしていたのです。
私が仲間とのランチタイムを大切にしてきたのは、仲間はずれにされたくない、独りぼっちになりたくない、という思いからだったのです。
今から考えると、学生時代からずっとそうだったと思い当たります。
そして、そういう背景があるから、“浮いて”しまったことが、こんなに大事件に感じられるのだなぁと思いました。

☆★☆今、本当の友だちがほしい☆★☆

私にとって『仲間』とは、独りぼっちにならないために避難する場所に過ぎなかったのではないか、と記述をして気づきました。
それは、自分の不安感から逃れるための手段だったと言ってもいいと思います。
ですから、キツい言い方をしてしまえば、友人たちそれぞれの個性とか気持ち(心の中で考えていること)などには、私は興味がなかったのです。
そんなのは二の次で、大事なのは私を認めてくれるかどうか、私を独りぼっちにしないでいてくれるかどうか、それだけでした。
私を認めてくれさえすれば、相手は誰だってよかったのかもしれません。
〈かけがえのない友人たちのはずなのに、なぜ私は、自分が安心するための道具としてしか見れないんだろう〉と思いました。
涙が出てきました。
大声で泣きたい気分でした。
これじゃあ、どんなに仲間がいたって、私はいつまでも不安から逃れられないな。
友人といるときでも、気持ちは独りぼっちなんだから。
自分で自分を独りぼっちにしていたんだなぁ、と思いました。

☆★☆今は独りでいることを選ぶ☆★☆

この記述を書いているあいだ、私は同期の友人たちと昼食に行くことをしませんでした。
自分の気持ちをしっかりとつかむまでは、ヘタに動かないほうがいいと思ったのです。
顔を見ればまたイライラしたり、よけいなことを言ってしまう可能性があると思いました。
もう一つには、〈今は独りでいてみよう〉という決心がありました。
自分の気持ちをねじ曲げて、相手に合わせてつきあっても、イライラしたり相手を傷つけたりするだけとわかったからです。
我慢しあうのではなく、ありのままの自分を互いに表現しあえるようなつきあいをしたいと私は思いました。
独りぼっち恐怖症の私でしたが、意識して独りになってみると、けっこう快適でした。
独りの昼食は、時間や場所が自由に選べて、気ままで楽だと言うことに気づきました。
私のお気に入りは、会社からちょっと歩くけど、明るいテラスがあるイタリアンのお店です。
バジリコのパスタを食べながら、道を行く人たちを眺めます。
独りで気持ちのいい時間を過ごすことで、私は自分にやさしくなれたみたいです。

☆★☆会えただけなのに、何だか嬉しい☆★☆

そんなある日、ロビーの受付のところで、A子とバッタリはちあわせしました。

私は〈あっ、A子だ。顔見るの、ひさしぶりだなぁ。
こんなところで会うなんて珍しい。
何してんだろ〉と思いました。

ただ会えただけなのに、何か嬉しい気持ちがわき起こってきました。

私は手をあげて「A子ー。ひさしぶりー!」と言った。

A子はこちらを向き、微かにニコっとした。

私は〈今、話しかけてもよさそうだ〉と思った。

私は「A子、こんなとこにいるなんて珍しいね。
何してるの?」と言った。

A子は「岡田部長が、お客さんが来る時間になっても外から帰って来なくてさ。
私がお詫びして、今、引き取ってもらったところなんだ」と言った。

私は〈岡田部長の名前が出たな。
そういえば、あれっきりA子の、“岡田部長チョームカツク問題”がどうなったのか聞いてないな〉と思った。

私は「岡田部長とは、その後うまくいってるの?」と言った。

A子は「んー。まぁまぁね。
うまくってほどじゃないけど……。
きみよにアドバイスされたようにはうまく言えなかったんだけどさ。
岡田部長って、カッカしてなきゃいい人だから」と言った。

私は〈A子もそう思ってたんだな。
いい人だと思ってたからこそ、誤解されて怒られたのが胸にこたえたのかもしれない〉と思った。

A子は「きみよのほうは?
最近、お昼、来ないじゃん。
そんなに忙しいの?」と言った。

私は「うん」と言った。

私は〈もう少し、私の本音を話してみよう。
A子にどう思われるか、ちょっと怖い気もするけど。
でも、このまま別れたら前とぜんぜん変わんないもん〉と思った。

私は「それに、みんなといると、なんか浮いてる気がして……不安になっちゃうんだ」と言った。

私は〈言っちゃった。
A子、どう思うかな。
でも、言ってスッキリした。
胸のつかえが取れたみたい」と思った。

A子は「そうか……」と言った。

A子はわずかに視線を伏せていた。

 私はA子の顔を見ていた。

私は〈A子、すぐに『そんなことないよ』って否定しないな。
やっぱり私、浮いていたんだな〉と思った。

A子は「……みんな、きみよみたいな仕事がしたくてこの会社に入ったからね。
きみよがうらやましいもん。
だから、きみよの話聞いてると、今の自分が情けなくなっちゃうんだよね。
うん、そうなんだよ。
自分が情けないんだよ。
きみよが悪いんじゃないんだからさ。
気にしないで時間があるときはお昼、一緒に行こうよ」と言った。

私は〈そうだったのか。
『ひがまないでよ』なんて思って悪かったな。
みんなの気持ちなんて考えてなかったな〉と思った。

私は「うん。
そうするよ。
ありがとう。
じゃあね」と言った。

私はA子に手を振りながら、エレベーターに乗った。
閉じていく扉の間に、A子が手を振っている姿が見えた。

*     *     *

エレベーターを七階でおり、私は自分のセクションまで小走りで走って行きました。
なんだか体が軽くて、体の底から力が沸いてくるような感じでした。
“浮く”ということを、私はあんなに恐れていた。
それなのに、A子から“浮いていた”と暗に示されても平気だった。
こんなに清々しい気持ちでいられるなんて不思議だなぁ、と思いました。
〈私は心を開いて本音をA子に伝えたし、A子も私の気持ちを理解してくれたみたい。
“浮いてしまう”という状況は今でも嫌だけど、もしそうなっても、これからはちゃんと受けとめていけそうだ〉と思いました。

☆★☆本当の友人はすぐそこにいた☆★☆

セルフ・カウンセリングをしたことで、私が『仲間』に対して何を求めていたのか、 また、どのような思いから『仲間』から離れられなかったのか、理解することができました。
“独りぼっちになったらどうしよう”という不安が、相手との自由な会話を妨げていたのでした。
つまり、私を独りぼっちにしていたのは、他でもない、自分自身だったのです。

ケーススタディ 5 おわり

次回は、ケーススタディ6「部下の女性に仕事を頼めない」を2回に渡ってお送りいたします。

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