セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 51 号 2009年 4月 15日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。

楽しくお読みいただけたら幸いです。

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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
   1〜22号   「自分の心に出会える本」より
   23号〜    「自己形成学の創造」より
   32号〜 新連載「セルフ・カウンセリングの方法」より

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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第32号より、セルフ・カウンセリングのプログラムに取り組み、 新たな自己発見をした方々の、体験談を紹介していきます。

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「セルフ・カウンセリングの方法」 渡辺康麿著 より抜粋
(vol . 20 )

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ー セルフ・カウンセリング ケーススタディ 10 ー
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タイトル「反抗的な部下に腹が立つ」  [男性・48歳]
          ( ケーススタディ10 − 後半 )

前号からの続きですので、 バックナンバー50号からお読みいただくとわかりやすくなっています。

☆★☆説得しようと焦っていた☆★☆

私から私(自分自身)の感情や欲求を洞察してみました。
すると〈焦り〉という感情と、〈Tを説得したい〉という欲求とが、 非常に強くあったということがわかりました。
私は、Tを説得しなくては、Tが納得するように話をしなくては、と思って最初から焦っていたのです。
Tを説得することで、自分が落ち着きたかったのではないかとと思います。
しかし、現実の私はどうでしょうか。
例えば、「最近、マネージャーからいろいろと苦情が出ているんだがね」という一文からは、〈これ以上苦情が出て、 所長としての管理能力を問われることにはなりたくない〉という私自身の欲求と、不安感という感情が取り出されました。
「しかし近頃、営業所内の雰囲気がちょっとおかしいと思うんだが、気がつかないか」という一文からは、 やはり不安感という感情と、〈これ以上、所内でガタガタを起こしたくない〉という私自身の欲求が取り出されました。
これも要するに、所内がガタガタすることで、自分の管理能力を問われることにはなりたくないということだと思います。

☆★☆組織における自分の役割と一体化していた☆★☆

私にとっては、組織の中での自分の役割と、自分の存在とがほとんどイコールだったようです。
職務を果たせなかったら、自分が何者なのかわからなくなってしまう。
そんな気がして、私は最初から不安だったのです。
この不安感から、私は“こう言ったらこう来るはず”というシナリオを立てていたようです。
具体的には、私が「しかし近頃、営業所内の雰囲気がちょっとおかしいと思うんだが、気がつかないか」と言う。
Tは「そうですね。確かにおかしいですね」と答える。
そこからはこっちのペース、というように。
ところがTは、「ぜんぜんそんなことありませんよ」と来た。
ここから私は動転します。
遅刻のことなどに話を飛ばしたのは、自分が優位に立とうという無意識の画策だったのでしょう。
が、そうすることによってかえって墓穴を掘りました。
話題がそれたことで、話の焦点がボヤけてしまったのです。
試しに私の言ったことだけを、拾い読みしてみました。
何が言いたいのか、自分で読んでもわかりにくいと感じました。
自分の立てたシナリオにとらわれていた私には、現実が見えなくなっていたのです。
自分の思いどおりことが進むかどうかだけに関心が向いていたため、臨機応変になれなかったのは無理からぬことです。

☆★☆負けを認めたとき相手の良い面が見えて来た☆★☆

この場面を探求する前は、自分は落ち着いて冷静に話をするタイプに属すると、漠然と思っていました。
記述、洞察と探求を進めてきて、実際には落ち着いて冷静に話ができる自分でありたい、 と思っていただけだったということを思い知らされました。
つまり、理想の自分の姿で現実の自分の姿を覆い隠していたのです。
他者に対しても自分に対しても、幻を見ていたと言っても言い過ぎではないかもしれません。
現実の私は、自分の思いどおりにことが運ばないことに焦り、そんなみっともない自分を晒して部下にバカにされたくないと思って、 さらに焦っています。
まったく悪循環でした。
自分の気持ちにゆとりがないときに、生産的な話し合いをするのは困難なのだと思いました。
私が最初の話題が何だったのか忘れるほどアタフタとしていたのに対して、 Tは実にしっかり受け答えしていたということに、今になって気づきました。
「誰が、そんなこと言っているんですか」
「それでは、いつ、どこで、誰に、私がそんなことを言ったと言うんですか」
Tは、相手(私)に振り回されることなく、事実の確認から始めています。
現実が見えていない私に対して、Tは実に現実的でした。
私が思い通りにならない現実に翻弄されていたのに対して、Tは自分のペースを守っていました。
だから話し合いはTのペースになったのです。
悔しいけれど、私の負けだと思いました。
おそらくTは、いつ、そこで、誰にという事実を確かめた上で、何か身に覚えがあるか思い出そうとしたのでしょう。
すぐに平謝りして、ことなきを得ようというような対応より、はるかに誠実な対応であったと、Tを頼もしく思うようにさえなりました。

☆★☆考え方は違っていて当然だったのだ☆★☆

その後、研修旅行として、五泊六日で香港に行きました。
香港での最後の夜のことです。
私は一人フラリと、ホテル地下の寿司屋に立ち寄りました。
カウンターには先客が一人いました。
T君でした。
私は「やぁ」と言いながらT君の隣に座りました。
T君は私の顔を見て、「ああ、所長もここを見つけたんですか」と言いました。
私は取りあえずの注文をして、「ここまで来て高い寿司食ってるバカって、オレたちぐらいだよな」と言いました。
T君は笑って、「そうかもしれませんね」と言いました。
T君と私は、無言で寿司を食べつづけました。
しばらくして私は<今なら話せるかもしれない>と思いました。
以下、そのときのT君との会話です。
私は「T君、むしかえすようなんだがね」と言った。
T君は「はい」と言って、私の顔を見た。
私は「あのときのこと、ずっとひっかかっているんだ。
君がマネージャーたちの悪口を吹聴しているかのように、決めつけた言い方をしてしまったと思うし。
ろくろく話も聞かずに一方的に責めてしまったような気がしてな」と言った。
T君は「はぁ」と言って、寿司に醤油をつけた。
T君は「所長、いいんですよ。
僕もまったく身に覚えがないわけではなかったんです」と言った。
私は「えっ?そうなの」と言ってT君の顔をのぞき込んだ。
T君は醤油の皿を見ていた。
T君は「実はあるマネージャーとトラブって、腹が立ったので『あのバカ、ムカツク』とか、言いまくっていたときがあったんです」と言った。
私は「あ、そう……」と言った。
T君は「だから自分にも原因はあったんです」と言った。
私は「そうか」と言った。
T君は「だけど所長、今みたいな就職難のときに、もし、ここで切られてしまったらとか思って。
言った後で不安になったんです」と言った。
私は「そうか。
切り捨てられるのは怖いよな。
俺も同じだよ。
マネージャーたちが苦情を言ってきたとき、うまく処理できなかったら自分の進退に関わると思って、焦ったもんな」と言った。
私は寿司を食べた。
T君も寿司を食べた。
T君は「あのとき所長が言ってくれたこと、『他人をこき下ろしても、評価は上がらない』っていうの、けっこう効きましたよ。
自分の気持ちが不安定になると、相手をこき下ろしたくなるけど、そんなことしたって何にもならないんだって教えられました」と言った。
私は「あ、あれは教えたなんてもんじゃなくて、興奮してつい口から出てしまったんだ」と言った。
私は〈別の人間なのだから、考え方は違って当然なんだ。
それでも、こちらが心に蓋をしなければ、こうやって接点が見つかる。
T君と話ができてよかった〉と思った。
セルフ・カウンセリングを学んで、感情や欲求を押し殺していると、かえってそれらに(気づかないところで)支配されてしまうということを知りました。
ありのままの感情や欲求を自覚することで、その支配から自由になれるということを知りました。
私とT君は、今では一緒に飲みに行く仲です。

ケーススタディ 10 おわり

次回は、ケーススタディ11「上司と衝突して心の崩壊が・・・」を2回に渡ってお送りいたします。

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