セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 52 号 2009年 5月 1日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。

楽しくお読みいただけたら幸いです。

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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
   1〜22号   「自分の心に出会える本」より
   23号〜    「自己形成学の創造」より
   32号〜 新連載「セルフ・カウンセリングの方法」より

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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第32号より、セルフ・カウンセリングのプログラムに取り組み、 新たな自己発見をした方々の、体験談を紹介していきます。

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「セルフ・カウンセリングの方法」 渡辺康麿著 より抜粋
(vol . 21 )

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ー セルフ・カウンセリング ケーススタディ 10 ー
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☆★☆失った自信を取り戻すには☆★☆

仕事で失敗することは、誰にでもあることです。
もちろん仕事以外の失敗もいろいろあるでしょう。
失敗は誰にとっても辛く、嫌なことです。
自分を責めて落ち込んだり、あんなことしなければよかったとクヨクヨ後悔したり、 まわりに八つ当たりしたりと、失敗へのリアクションは人それぞれでしょうが、とにかくマイナスのことばかりです。
でも普通は、またやり直せばいいじゃないかと思い返したり、上司や同僚たちに慰められたりして、 何ごとも経験だと気持ちを転換して何とか立ち直っていきます。
けれども、失敗しないようにと完璧を期してきた人、今まで順調にやってきた人、手痛い経験の傷が癒えていない人などにとっては、失敗はひどく身にこたえます。
その気持ちを誰にも打ち明けることができず、あるいは自分で発散することができないと、だめだと否定しつづけることになりかねません。
すると、感情にたらわれてしまい、自分の意識が現実の状況に向きません。
結果として同じ過ちをくり返すことになります。
そして、他人から失敗を指摘されると、やっぱり自分はだめなのだと思い込むことになります。
そうなると、たとえまわりの人から慰められても、落ち込みはひどくなるばかりです。
そんな状態がつづくと、ひどい場合、体の変調をきたしてしまうこともあります。
医者に診てもらって何ら異常はないとの診断結果をもらっても、体の不調は治りません。
精神状態の落ち込みと体の不調があいまって、ますます悪循環がつづくということが起こり得るのです。
では、このような体験をした人は、どのようにして自信を取り戻していけばいいのでしょうか。
できたら、まず体験したことを親しい友人やカウンセラーに話すこと、自分の嘆きを聞いてもらうことです。
あるいは感情のままにグチを書くこと、時間の順に体験を書いてみることです。
つまり言葉に表わして、自分で受け止めていくことが大切です。
ありのままを言葉にしてはじめて、そのときの感情から自由になることができます。
また、特別に失敗したわけではないのに、はっきりとした原因があるわけでもないのに、何となく気持ちが沈んでしまうようなこともあると思います。
そんなときも、今の気持ちをありのままに書いてみましょう。
最初は漠然としているでしょうが、やがて自分の心の状態が見えてきます。
そうなれば自分とキチンと向き合うことができます。



タイトル「上司と衝突して心の崩壊が・・・」   [男性・31歳]
          ( ケーススタディ11 − 前半 )

【研究動機】

私は外資系のメーカーに勤めて10年目になります。
先月、半年間の海外研修から戻ってきたところです。
私は上司からも同僚からも、アイデア豊富で企画力があると評価されてきました。
同期より昇進も早く、それだけ会社から期待されていたのだと思います。
7ヶ月前、私は会社の大きな期待を少々プレッシャーに感じながらも、〈やるぞ!〉と意気込んで出国しました。
研修期間は夢のように過ぎ去りました。
日本での仕事への新たな意欲に燃え、さぁ何でも来いとばかり意気揚々と帰国したまではよかったのですが・・・・・。
今現在、神経科で精神安定剤を処方してもらいながら、自宅で静養しています。
社の判断で、あと3か月は自宅療養しなくてはなりません。
あれほどバイタリティーがあって多くの人に会っていた自分が、今はまったく意欲を喪失し、人が怖くて外に出られません。
きっかけは何だったのだろうと考えると、帰国後、ある上司と意見が対立したことに始まったと思います。
何度となく押し問答を繰り返すうちに、半身に痺れを感じたり呼吸が苦しくなるということが起こってきました。
こんなことではダメだ!仕事をしなくちゃ!と自ら鞭打っても身体が動きません。
そのうち、自分が素朴に信じてきた世界というものが、崩壊し始めました。
正常なときは、自分が前を見ているときも、後ろにも世界は存在していると信じられます。
この素朴な信頼感さえ、私はなくしていました。
ふり返ったら後ろは真っ暗な崖というふうに感じて、私は恐怖におののきました。
もう、この世に信じられるものはなにもない。
アパートの一室で、布団の上に座ったまま身動きもできずにいたとき、会社の同僚が部屋に踏み込んできました。
無断欠勤などしたことがない私が連絡もなく休み、電話にも出ないので、まさか部屋で死んでいるのではと心配になり、 大家さんに鍵を借りて踏み込んだのだと言います。
その日のうちに彼の車で病院に行き、検査を受けました。
そして、身体に異常はないとわかったので、精神科に回され今に至ります。
これまで自分で歩んできた道をふり返り、自分を見つめ直したいと切に願っていたとき、 新聞でセルフ・カウンセリングのことを紹介している記事が目に飛び込んできました。
そして、自分がここまで落ち込むきっかけとなった出来事を記述してみました。

【場面説明】

日時1995年○月×日 お昼前
場所 職場で
登場人物 私(31歳)、
鹿野さん(男性、54歳。私の上司。マーケティング・マネージャー)

【状況説明】

帰国してすぐ私に与えられた課題は、売上げが著しく不振な商品の売上げを、どうやって伸ばすか、企画を立てることでした。
「マネージャーも酷だよな。ありゃ無理だ」
「でも、彼ならやれるんじゃないの?」
そんな会話も耳に入ってきます。お手並み拝見とでもいうのでしょうか。
周囲は、私に注目していました。
戦略次第で売れるような商品ならいいのですが、その商品は、もうすでに時代が捨てているようなものでした。
実際、いくつか企画して試してはみました。
しかし、売上げは一向に伸びません。
〈こんな商品にわずらわされて、業務成績を下げたくない!
それに、もっとやりがいのある商品でやりたい〉と私はおもいました。
この日は、週の定例マーケティングの日でした。
ミーティングでは、前の週の売上げや、今後、力を入れる重点品目を伝達します。
ミーティングの終わったあと、私は鹿野氏と話をしました。

【場面記述】

私は〈あんな商品、どうやったって絶対売れる分けないのだ。
マネージャーにそのことをわからせたなくては〉と思った。

私は「マネージャー、例の商品のことですが」と言った。

鹿野氏は「なんだ」と言った。

私は「マネージャーもご存じとおもいますが、あれは営業でとっくに見放しているものです。
言ってみれば、だれも見ていない商品です。」と言った。

鹿野氏は「それがどうした」と言った。

私は〈嫌な言い方だ。でも、ここで引いてなるものか〉と思った。

私は「今の若い世代は、あの商品じゃダメですよ。
どうやって売り込んだとしたって」と言った。

鹿野氏は「商品のせいにするな!俺たちの頃は仕事の選り好みして、 与えられて仕事を四の五の言うなんて、考えもしなかったぞ」と言って、自分の昔の話を始めた。

私はほとんど聞いていなかった。

私は〈あぁ、また始まった。
いつもこれだ。
『俺たちの頃は』『なのに今の若い連中は』。
この人これしか言えないのか?
昔の栄光にすがって『だからおまえもこうするべき』とおしつける。
この人は身体は現代にあっても過去に生きているタイプだよな。
あーヤダヤダ! 年とって頭がかたまったヤツはイヤだ。
お前なんかハッキリ言って、時代遅れの化石なんだよ〉と思った。
(この間、相手は自分の昔の話をしつづけていたと思うが、私はほとんど聞いていなかった)

鹿野氏は「だいたい、君のこの前の企画は何だ?
あんな方法でうまくいくと思ったのか?」と言った。

私は〈俺のやり方に不備があると言うのか。 何もわかっちゃいないくせに〉と思った。

私がこの前の月例ミーティングで発表した企画案の意図、意味を説明している途中で、

鹿野氏は「そんなので、うまくいくはずがない。
そんなやり方じゃダメだ」と言った。

私は〈ちくしょう。
人が言っているのに塞ぎやがった。
新しいアイデアはことごとく拒絶するんだ。
もう時代が違うんだってこと、わかれよ〉と思った。

私は「時代があの商品を求めていないのだと思います」と言った。

鹿野氏は「君の努力が足りないだけだよ。
不満を言うなら、やれるだけのことをやってから言え」と言った。

私は〈やれるだけだって、どこまでやればいいんだ?
俺はもう嫌だ。
これ以上あの商品でやりたくない。
こんな頭のカタい上司について、俺ってなんて運が悪いんだ。
これからどうしていけばいいのかわからない〉と思った。

【場面記述を読み返して】

☆★☆軽蔑していた相手に頼っていた☆★☆

過去の出来事をもう一度見つめ直し、自分の気持ちを書き表したことで、いくらか心が軽くなりました。

以下、次号(ケーススタディ11ー後半)に つづく・・・

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