セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 56 号 2009年 7月 5日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。

楽しくお読みいただけたら幸いです。

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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
   1〜22号   「自分の心に出会える本」より
   23号〜    「自己形成学の創造」より
   32号〜 新連載「セルフ・カウンセリングの方法」より

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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第32号より、セルフ・カウンセリングのプログラムに取り組み、 新たな自己発見をした方々の、体験談を紹介していきます。

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「セルフ・カウンセリングの方法」 渡辺康麿著 より抜粋
(vol . 25 )

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ー セルフ・カウンセリング ケーススタディ 13 ー
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タイトル「オバさんたちのいじめに遭って」   [男性・39歳]

(ケーススタディ13 − 前半)

私は今年、39歳になる男性です。
去年の初夏、中途採用である会社の情報処理センターのスタッフになりました。
採用された頃は、予想外に雑用が多いけれど、安定した企業だし、収入もまあまあだし、まぁいいかと思っていました。
ところが昨年の秋から、私はこれまでに経験したことのないような身体の不調に悩まされるようになりました。
具体的に言うと、まず肩凝りがひどいのです。
首のほうまで凝ってきて、目が霞んだり頭痛がしたり、吐き気がしたり手足がしびれたり。
病院で検査を受けてところ、どこにもこれといった異常はないとのこと。
そのとき、医師の言った一言、「ストレスじゃないですか」が、妙に自分の中に残りました。
心当たりがないわけではなかったからです。
今年に入って、友人の紹介でセルフ・カウンセリングを知りました。
以来3か月間、職場での出来事を題材に探求してきて、何が自分のストレスだったのかが見えてきました。
ストレスフルな状況自体は変わっていないのですが、私自身の物事の受け取り方が変わってきて、随分楽な気持ちになりました。
そこで私の場面記述と、そこから生まれてきた気づきとを振り返ってみたいと思います。

【研究動機】

センターのスタッフは、私を入れて4人です。
私以外のスタッフは全員女性です。
年の頃は30代から40代前半といった感じ。
二人の方が40代です。
仮に中村先輩と青木主任とします。
どちらも以前パソコン関係の仕事をしていて、出産を契機に家庭に入り、子育ても一段落したので キャリアを活かせる仕事がしたいと思ってここに来たとのことです。
だからかもしれませんが、「私はふつうのパートのオバサンとは違うのよ」というプライドがあるように私には思えます。
30代の村上さんは調子がよくて、オバサンたちにうまく取り入って、実際、気にいられているな、と思います。
ここに来てまず私が驚いたのは、オバさんたちの儀式でした。
お昼になると、机の配置を変えて丸くなってお弁当を開く。
そこでの話題と言えば、夫のこと、子どもの勉強問題、旅行や食べ物の話、だいたいそんなところです。
毎回そんな話をして、よく飽きないもんだ、と唖然としています。
3時になると、「お茶」の儀式が始まります。
通信販売のカタログを開いて何だかんだと言い合って。
そんなもので、よくあれだけ盛り上がると呆れますし、不気味な感じさえします。
会話をたのしんでいるよりも、互いの上下関係を確認し、牽制しあい、上下関係に基づいた絆を維持するという儀式以外の何物でもない、と私は感じてきました。
バカバカしいので、当初から私はお昼の儀式にも「お茶」の儀式にも、加わらないようにしていきました。
すると加わらない、職場の和を乱していると、言葉の端々で非難されるようになりました。
〈この職場にいる以上は、バカバカしい儀式と思っても少しは加わったほうがいいのかな〉と思ったときもありました。
けれど、私が何か一言言うと、「池田さんの話はおもしろくない!」とか、「もっと大きな声でハッキリ言ってくれないとわからない!」とかいう言葉が返ってきます。
そして、一人が何か言うと必ず、他の二人に、「ねっ、○○さん」というふうに確認を取ります。
けれど、そんなことは序の口でした。
場面記述は、私が1番嫌だなぁと感じた出来事です。

【場面説明】

日時 199×年3月の初め
場所 職場
登場人物 
青木主任(女性・40代 主任)
中村先輩(女性・40代 私が採用される半年前に青木主任の口利きで採用されたらしい)
村上さん(女性・30代前半 私より後に印刷会社から転職してきた)
私(池田)

【状況説明】

出勤したときのこと

【場面記述】

私は〈今日も体調が悪い。
あの怖いオバさんたちのいる職場に行きたくないな。
辞めてしまいたいくらいだが、収入がゼロになるっていうのは不安だしな〉と思いながら廊下を歩いていた。

私は部屋の扉を開けた。

村上さんはデスクを拭いていた。

 中村先輩はデスクで何かしていた。

 私の机の上に白い紙のようなものが見えた。

私は〈何だろう?
あんなものを置いて帰った覚えはないし、社内通知か何かかな〉と思った。
私は自分のデスクに近づいた。
太いマジックで紙に書かれた文字が見えた。
そこには、「机はちゃんと自分で片づけて帰ってください!
今朝、机の上がこんなにちらかっていました」とあった。
文字の脇に見取図のようなものが書かれていた。
糊、はさみ、テープ、マニュアル、紙、ごみなどの配置が一つひとつ書き込まれていた。
糊のところに矢印で、「糊は使ったら必ずもとの場所に戻してください」という文字が加えてあり、 つづいて「何度も同じこと言わせないでよね!ばか!」という文字が太く大きく書かれていた。

私は〈私は何も知りませんって顔してるな。
知らないわけないだろう!〉と思った。

扉が開いて青木主任が書類の束をもって入ってきた。

青木主任は私の机の上をチラッと見て通り過ぎ、「サーッ」とか何とか息を吐いて書類束をドンと置き、デスクについた。

「私が書いたの、それ」という声がした。
私は振り返った。
村上さんがいた。

村上さんは「今朝来たら、池田さんの机の上があんまりすごい状態だったから片づけてあげたけど、 それだけじゃ池田さん、自分が昨日どんなにひどい状態で帰ったか、わからないでしょ」と言った。

私は〈この顔この声、なーんて嫌な女なんだろう!
だいたい俺が何をわからなきゃならないんだよ。
きのうはちゃんと机を片づけて帰ったのに〉と思った。

私は「何を言っているのか、わからないんですけど。
きのう、ちゃんと机を片づけてから帰りました」と言った。

村上さんは「えっ?」と言った。
「でも、糊は池田君でしょ?」という声がした。
振り返ると中村先輩が立っていた。

私は中村先輩と村上さんにはさまる形になった。

私は〈糊は確かに自分だ。きのう最後に使ってそのまま帰ってしまった〉と思った。

私は「はぁ、ええ、まぁそれはそうですけど」と言った。

中村先輩は「ほら見なさい。やっぱりそうじゃない。
どうして池田さんって、みんなが守っていることが守れないわけ?」と言った。

私は〈何で俺がこのババァにこんなこと言われなきゃならないんだろう。
糊は俺だけど、そのほかのことは絶対に知らない。
俺じゃないのに!〉と思った。

「池田君、そこのパソコンの脇にあるファイル全部、今日のうちにデータベースにしてよね」という青木主任の声がした。

私はパソコンのほうを見た。
10冊ぐらいのファイルが、高さ30cmぐらいに積みあがっていた。

私は〈何だよ、これを全部やれっていうの?〉と思った。

私は主任のほうを見た。

主任は自分のデスクでワープロを打っていた。

私は〈これ以上、俺じゃないって言い張ってもムダって感じだな。
きのうは俺が最後だったわけだし。
何でこんなことで悔しい思いをしなくちゃならないんだ。
本当に嫌な職場だ>と思いながら、机の上にテープで貼ってある紙を取り除いた。
「頼むからもっとしっかりしてよね」とか、「池田君ってほんとにいつでもボケッとしてて頼りないんだから、もう」とか、 中村先輩と村上さんは口々に言いながらデスクに戻っていった。

私は〈まだ言ってる。うるさいな。
こっちは引き下がったんだからもういいじゃないか。
しつこいんだよババァ>と二人のほうを見て思った。

私はパソコンのところに行き、主任に頼まれた仕事に目を通した。

私は〈何だよ、こんなのここでやる仕事じゃないじゃないか!
こんな仕事したくない〉と思った。

私の主任のほうの向かって、「これ全部やるんですか?」と言った。

主任は顔を上げて「そうよ」と言った。

私は「ここまでする必要があるんでしょうか?」と言った。

主任はワープロを打つ手を止めて、「文句言わないの。仕事じゃない」と言った。

村上さんが書類をもって私の後ろを通りすぎながら、「必要かどうかなんて池田君が判断することじゃないでしょ」と言った。

村上さんは「何考えてるのよ」と言いながら、ファイルが保存してある棚のところに行った。
中村先輩が自分のデスクで伝票を繰っているのが見えた。

私は〈いったい何だろう、この人たち。
ぜんぜんわからない。
確かに仕事はものすごく一生懸命がんばる。
でも僕から見て、そこまですることないのにとか、そんなことどうだっていいじゃないかと思うような無意味なことにもやたら細かい。
どこにあったって糊は糊じゃないかと思うけど。
この人たちって、何がおもしろくて生きているんだろう?〉と思った。

【記述による発見】

☆★☆バカにしつつも恐れていたんだ!☆★☆

記述の中で私は、村上さん、中村先輩、青木主任に対して、怒りや軽蔑の思いを抱いていました。

以下、次号(ケーススタディ13ー後半)に つづく・・・

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