セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 57 号 2009年 7月 15日
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みなさん、こんにちは。
「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。
みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。
私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。

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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
   1〜22号   「自分の心に出会える本」より
   23号〜    「自己形成学の創造」より
   32号〜 新連載「セルフ・カウンセリングの方法」より

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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第32号より、セルフ・カウンセリングのプログラムに取り組み、 新たな自己発見をした方々の、体験談を紹介していきます。

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「セルフ・カウンセリングの方法」 渡辺康麿著 より抜粋
(vol . 26 )

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ー セルフ・カウンセリング ケーススタディ 13 ー
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タイトル「オバさんたちのいじめに遭って」   [男性・39歳]

(ケーススタディ13 − 後半)

前号からの続きですので、 バックナンバー56号からお読みいただくとわかりやすくなっています。

【記述による発見】

☆★☆バカにしつつも恐れていたんだ!☆★☆

記述の中で私は、村上さん、中村先輩、青木主任に対して、怒りや軽蔑の思いを抱いていました。
〈何なんだ、こいつらは!〉
〈知らないわけはないだろ!〉
〈この顔この声、なーんて嫌な女なんだろう!〉
〈何で俺がこのババァにこんなこと言われなきゃならないんだろう〉
〈何でこんなことで悔しい思いをしなくちゃならないんだ。本当に嫌な職場だ〉など。
でも、私はそれらの思いをほとんど口に出していません。
なぜだろうと思ったとき、記述の「私は身体がガタガタ震えてきた」という部分が目に飛び込んできました。
私はこのときの自分の実感を思い出してみました。
するとそこには、〈恐れ〉があったということに気づきました。
それは、「驚愕」という感じの、本当に強い恐れでした。
この恐れがこの場面に一貫して尾を引いていたように思います。
私は三人のことを内心バカにしたり、嫌に感じつつも恐れていたのです。

☆★☆先頭切って私を苛めていたのは自分だった。☆★☆

けれどこの恐れの思いは、心のセリフとしては十分に表現されていません。
それは私のうちに、〈女性を怖がる自分を認めたくない〉というような思いがあるからでしょう。
記述の〈何だよ、これは!〉から、「何を言っているのか、わからないんですけど。
きのう、ちゃんと机を片づけてから帰りました」の部分までの一文一文を、私は洞察してみました。
まず、私から、村上さん、中村先輩、青木主任に対する感情ですが、怒りや軽蔑や嫌悪感といった感情と、 恐れという感情とが反転していた(交互に出ていた)ということがわかりました。
そして、相手に対して怒りや軽蔑や嫌悪感を抱いていたときの私自身の感情は、〈悔しさ〉であったことがわかりました。
また、相手に対して恐れを感じていたときの、私自身の感情は〈不安感〉あるいは〈悲しみ〉であったことがわかりました。
このように感情は一瞬一瞬動いていたのですが、欲求のほうを見てみると、私は相手に対して、一貫して〈否定しないでほしい〉
〈自分のことを仲間として受け容れてほしい〉と期待していました。
私自身は〈否定されたくない〉
〈仲間の一員として認められたい〉という願いを一貫して抱いていたのです。
この場面での私の気持ちの流れを見ると、まず自分が否定されたというショック(悲しみ、不安感)があって、 そこから相手に対する否定的な感情(怒り、軽蔑、嫌悪感)が生じました。
同時に私自身に<悔しさ>が起こりました。
本当だったら、「何だてめーらは!」と怒鳴りつけたかったのですが、〈これ以上否定されたらどうしよう〉という恐れ、 不安感があり、私はじぶんを抑えました。
この自分を抑えた分の感情が、体の不調として現われていたのかな、と思えます。
もしそうだとしたら、私を苛めていたのは私自身だったのかもしれません。

【場面洞察をしてみて】

☆★☆それは母に対する感情だった。☆★☆

以上のようにセルフ・カウンセリングしてきて、あるとき私は、〈軽蔑しつつ恐れるというのは、私の母に対する感情だな〉と気づきました。
幼い頃から私は、「何やってんの!」「しっかりしなさい!」などという言葉を母から言われつづけてきた気がします。
そういう母の言葉は、私にとって、とてもうっとうしく、重たいもの、言ってみれば、「プレッシャー」でした。
母の威圧感に押しつぶされないようにと、私が取った対策は、〈くだらないババァだ〉と母を軽蔑することでした。
そうすることで私は、恐れる弱い自分を見ないですむようにしようとしたのでしょう。
母と離れて暮らすようになって20年もの月日が経っているというのに、母と暮らした年月より離れている年月のほうが長くなったというのに、 母との関わりは今の自分に影響していたのです。
これは私にとって驚きでした。

☆★☆状況は変わらなくても風通しはよくなった。☆★☆

セルフ・カウンセリングして自分の心が見えてきた今、私はさわやかな気持ちです。
職場の状況はそんなに変わっていません。
でも体調がとてもよくなってきたのがわかります。
以前は、「しっかりしてよ!」と言われると、〈本当にだめな人ね〉と、自分を否定されたと感じたのでした。
今では、〈私にしっかりして欲しいのは、もしかしたら私に頼りたいからかもしれない。
あるいはそんな言い方で活を入れて、励ましているつもりなのかもしれない〉と思うときさえあります。
ただ仮に、相手が私を頼りにしてくれているとしても、この職場ではあんまり頼られたくないというのが正直なところでした。
そんな折、大学時代の先輩から、「大学の研究室で障害児教育の研究をしているので、実験を手伝ってくれないか」との誘いがありました。
もともと自分が関心をもっていた分野だったので、快く引き受けました。
今は毎週土曜日に先輩の研究室に通っています。

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セルフ・カウンセリングを始めた頃は、〈これを勉強すれば苛められなくなるかもしれない〉とか、 〈やられたらやり返せる自分になれるかもしれない〉と思ったことでした。

そういう期待は外れましたが、セルフ・カウンセリングに出会ったことで、 それはそれ、これはこれと、いい意味での割り切りができるようになったと喜んでいます。

ケーススタディ 13 おわり

次回は、ケーススタディ14「妻と母の板ばさみになって」を2回に渡ってお送りいたします。

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