セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 106 号 2011年 8月 1日
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みなさん、こんにちは。
「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。
みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。
私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。


連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜    「自分の心に出会える本」より
 23号〜    「自己形成学の創造」より
 32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」より
 62号〜 新連載「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」より



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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。


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「自分って何だろう 〜現代日本人の自己形成〜」

渡辺康麿著 より抜粋

(vol . 45)


子どもたちのSOS
ー いじめ ー


□T 現象の考察□(つづき)

☆★☆子どもの心に潜むもの☆★☆

いじめの原因は複雑です。
大小さまざまな原因が重なりあっていて、一つの原因だけで説明することはできません。
最も近い原因として、まず、各グループの子どもたちの心の奥底に潜んでいる、行動のモチーフを解明していきたいと思います。

(1) 加害者グループ

いじめる子どもの心の奥底には、大きく分けると、次のような三つの感情が潜んでいるように思います。
それは、被害感と劣等感と孤立感です。
それぞれの自己意識がどのような仕方でいじめに結びついていくのかを明らかにしておきましょう。
むろん、この三つの自己意識は、おたがいに深く結びついていて、切り離すことはできないのですが・・・・・・。

−1− 被害感に基づくいじめ

子どもたちは、自分はしたいことをしているのではなく、したくないことを大人たちからさせられているという感情を持っています。
勉強について言えば、自分は勉強したくないのに勉強させられているという感情を持っています。
この感情がさらに強くなると、自分は大人たちから苦しめられているという無意識的な被害感につながります。
この被害感から、自分を苦しめていると思うまわりの人々への敵意が生まれます。
しかし、この敵意を自分より強い大人に向かって表わすことはできません。
大人にはむかえば、やり返される恐れがあるからです。
そこで、この敵意は自分より力の弱い子どもに向け変えられます。
この無意識的な敵意が容易にいじめに結びついていくことは、言うまでもないでしょう。
この場合のいじめは、被害感に基づく攻撃転化機制としてのいじめであると言うことができるでしょう。

−2− 劣等感に基づくいじめ

子どもたちは、大人たちから、たとえば勉強というモノサシで、たえずほかの子と比べられて優劣をつけられています。
そうなると、その勉強というモノサシで、子どもたちは自分でも自分自身をみんなより劣っていると思ったり、 あるいはみんなから落ちこぼれてしまうのではないかと不安に思ったりします。
その劣等感から、自分より優れている子を妬んで、その子のネウチを引きずりおろしたいというモチーフが生まれます。
また、その同じ劣等感から、自分より劣っている子を見つけ出して、自分がその子より優れていることを示したいというモチーフが生まれます。
こういうモチーフが、いじめに結びついていきます。
この場合のいじめは、劣等感に基づく優越機制としてのいじめであると言うことができるでしょう。

−3− 孤立感に基づくいじめ

子どもたちがいつもほかの子と学業成績の順位を競い合うようになると、 自分以外のまわりの子は、知らず知らずのうちに協力相手ではなく、競争相手と感じられるようになります。
子どもたちの関心は、ほかの子に勝てるか負けるかということに集中していきます。
その結果、頼れるのは自分の力だけということになります。
ここから、自分は一人ぼっちだという孤立感が生じます。
子どもたちは、自分たちのいじめを先生の目から隠すことによって、先生への暗黙の反抗を表わします。
それとともに、共通の秘密を持つことによって、自分たちいじめる者同士のきずなを強めていきます。
さらには、共通の秘密を作り出すために、いじめを行なうことさえあります。
そういう子どもたちにとって、最大の裏切りは、共通の秘密を第三者である大人にもらすことです。
彼らの言葉を用いて言うと、「ちくる」ことが最大の罪なのです。
この場合のいじめは、孤立感に基づく共犯機制としてのいじめであると言ってよいでしょう。
いずれの場合でも、子どもたちはスケープ・ゴート(いけにえの小羊)を必要としているのだと言ってよいでしょう。

(2)観衆グループ

観衆グループとなる子どもたちも、加害者グループの子どもたちと同じような感情を持っています。
それに加えて、この観衆グループの子どもたちは、もう一つ別な感情を持っています。
それは、退屈感です。
子どもたちにとって、勉強は決して面白いものではありません。
その退屈感から、子どもたちは、何かしら面白いことが起こるのをひそかに求めるようになります。
その彼らにとって、いじめはスリルとサスペンスにとんだ、格好の見世物となります。
彼らは、その見世物をドキドキハラハラしながら見物するのです。
彼らの中には、いじめる子どもたちをまるで漫画のヒーローのように眺める子さえいます。
このグループの子どもたちにとって、いじめはうさ晴らしの対象となっていると言うことができるでしょう。

(3)傍観者グループ

傍観者グループの子どもたちを支配している主な感情は、恐怖感です。
この子どもたちは、いじめを決してよいことだとは思っていません。
ひそかにいじめる子に対して怒りを感じていないわけではありません。
また、いじめられる子に対して同情していないわけでもありません。
しかし、それ以上に恐れが強く支配してしまうのです。
なまじ、いじめる子をたしなめたり、また、いじめられる子をかばったりして、自分自身がいじめられっ子にされてしまうことを最も恐れているのです。
さらに言えば、自分でない他の子がいじめられている間は、自分はいじめられないですむのです。
このグループの子どもたちにとっては、何事も起こってないかのように見て見ぬふりをすることが、最も安全な策ということになります。

(4)被害者の内なる葛藤

いじめられることを望む子は一人もいません。
したがって、被害者のモチーフについては何も触れることができません。
しかし、被害者については、こんな疑問が浮かんできます。
なぜ、彼はいじめを黙って耐えつづけるのか、なぜ、彼はみんなからいじめられていることを先生や親に訴えないのかという疑問です。
彼は、決して訴えたくないわけはないのです。
訴えたくても、訴えることができないのです。
彼がいじめを受けていることを先生に話したとします。
その場合、そのことが加害者にバレたら、「おまえ、ちくったな」と言われて、陰で一層ひどいいじめに合う可能性が高いのです。
その恐れから、被害者は自分が受けているいじめを誰にも話すことができないのです。
彼にできることは、ただ時の過ぎるのを待つことだけです。
その彼にとっては、どこにも出口がないように思われてきます。
そして、生命を絶つことだけがあたかも果てしないいじめから逃れられる、ただ一つの出口のように見えてくるのです。

つづく・・・

次回は「2背景の考察と克服の鍵」をお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに!

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