セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 119 号 2012年 2月 16日
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みなさん、こんにちは。
「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。
みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?
これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。
私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。


連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜    「自分の心に出会える本」より
 23号〜    「自己形成学の創造」より
 32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」より
 62号〜 新連載「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」より



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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。
そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいうその人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探求の方法が基礎になっています。

☆★☆セルフ・カウンセリングとは?☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。
家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。
テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。
もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。
自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。
まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。
そして、相手の気持ちがわかります。
そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。
人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。


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「自分って何だろう 〜現代日本人の自己形成〜」

渡辺康麿著 より抜粋

(vol . 58)


子どもたちのSOS
ー いじめ ー


□3 実践報告□

今まで、私は、子どもとかかわることを主な仕事としている人たち ― 学校の先生や家庭のお母さん、地域のリーダーたち ― にいろいろな仕方で、自己形成史を書くことをすすめてきました。
そして、多くの人たちからさまざまな報告を受けてきました。
そういう報告の中からいくつかの例を紹介しましょう。
学校と家庭と地域社会に分けて・・・。
いずれの報告も、どうしたらいじめをなくすことができるかという問いに対して、 大切な手がかりを与えてくれているように私には思われるからです。

☆★☆ 学校で ☆★☆

私は、将来先生になろうと思っている学生たちに心理学の手ほどきをしています。
私は、そういう学生のために、自分の自己形成史と取り組むゼミナールも開いています。
よい先生になるためには、まず自分自身のことをよく知っていなくてはならないと思ったからです。
ある女子学生は、大人(親や先生)の言うとおりにすることがよいことだと思い込んで育ってきたことに気づきました。
おそらく、この女子学生が自分のモノサシに気づかずにそのまま先生になっていたとしたら、 何の疑いもなく、先生の言うことを聞く子は良い子で、聞かない子はわるい子だと見なしてしまうことでしょう。
私のゼミの教え子の半分ぐらいは、大学を出ると先生になります。
(今は、先生になるのはとてもむずかしいのです。)
その中のある一人の先生は、月に一回ぐらい、授業での自分と子どもとのやりとりを、私の教えた方法で(行動場面記述の方法で)書いてみているそうです。
書いてみると、自分が自分の立てた目標にとらわれて、一人ひとりの子どもの心が見えず、 いかにチグハグな受け答えをしているかがわかるということです。
彼は、百冊の教科書を読むより一つの授業記録を書くほうがためになると書いてきました。
もし、子どもたち一人ひとりが授業の内容に集中できて、充実した時を過ごすことができたとしたら、いじめも起こりにくいのではないでしょうか。
また、ほかのある先生は、道徳教育の時間に子どもたちにケンカした時の行動場面を記述させてみたそうです。
以下は、その若い先生の手紙です。
「つい最近、取っ組み合いのケンカをした子がいました。
その二人がたまたま同じケンカについて書いていましたので、二人にその場面を読んでもらいました。
一人が読んでいる間は、もう一人は口をはさまずに終わりまで聞くように言っておきました。
これは、子どもたちにとってとてもよい聞くことのトレーニングになったようです。
二人とも、自分が被害者だとばかり思い込んでいたので、相手の気持ちがわかってびっくりしたようです。
いずれにしても、相手の気持ちをきちんとくみ取ることや、 自分の気持ちを相手にちゃんと伝えることがどんなにむずかしいかを、子どもたちはこの授業で実感したようです。
こういう気持ちの伝え合いのトレーニングを日頃から積んでいたら、今はやりのいじめも、きっとなくなるでしょう。」
また、ほかの先生は、私にこんなふうに話してくれたことがあります。
「受け持っている四十五人の子どもたちの顔を眺める時、ボクはいつも思うんです。
四十五人ともまったく違った自己形成史を背負って、今ここにきているんでなあーって・・。
たとえば、ボクが子どもたちに問いかけたとします。
すぐに「ハイ、ハイ」と言って手を上げ、ボクがほかの子を指すと「あーあっ」と大げさに嘆く子もいれば、 まわりの子の様子を見てからおずおずと手を上げるのですが、ボクがその子を見るとあわてて手を下ろしてしまう子もいるんです。
それから、全く手を上げない子もいるんです。
でも、ボクが名前を言って、言わせると、ちゃんと答えられるんです。
手を上げる、上げないというような単純なことの中にも、その子の今までの全生活があらわれてくるんですね。
ボクは、今、一人ひとりの子のカルテを作っているんですが、
それを読み返すと、一人ひとりの子どもの心の動きがとてもよくわかるんです。」
先生が一人ひとりの子の心が見えているところに、いじめは決して起こらないのではないでしょうか。

つづく・・・

次回は「家庭で ― 母親」をお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに!

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