セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 176 号 2014年 7月 1日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?

これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。

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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜「自分の心に出会える本」
 23号〜「自己形成学の創造」
 32号〜「セルフ・カウンセリングの方法」
 62号〜「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」
136号〜「大人の自己発見・子どもの再発見」
176号〜 新連載「自分を見つける心理分析」

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。

そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう その人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探究の方法が基礎になっています。


☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。

家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。

テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。

もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。

自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。

まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。

して、相手の気持ちがわかります。

そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。

人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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「自分を見つける心理分析」
セルフ・カウンセリング入門
渡辺康麿著  より抜粋
( vol . 1 )
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はじめに
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「もう羽根つきやめる!」
お正月のある日のことです。
私は、書斎で書き物をしていました。

庭から突然、小学校一年生(当時)の娘のめぐみの声が聞こえました。
続いて小学校三年生(当時)の息子の驚いたような声が聞こえてきました。

「えっ、やめちゃうの。ちょっと待ってよ」

沈黙が続きました。

私は<どうしたんだろう?
息子は何か考えているようだ>と思いました。

私は、庭の方に耳を澄ませました。
ふたたび息子の声が聞こえました。

「そうだ、めぐみちゃん。
新しい羽根つきしない?
あのね、羽根つきがどれだけ続くか、やってみない?
めぐみちゃんの打ちやすいところに打ってみるから」

「うん、わかった。」という娘の声。

コツンという、羽根を羽子板で打った音が聞こえてきました。

きっと、息子が打ったのでしょう。
続いて、コツンという音が聞こえてきました。

息子の 「めぐみちゃん、いいぞ。
その調子、その調子」と言う声。

その声とともに、再びコツンという音が聞こえてきました。

それから、バシッという音がしました。
息子の「あっ!」と言う声。

娘の打った羽根は、どうやらとんでもない方向へ向かったようです。

こうして、兄と妹の新しい羽根つき遊びは夕方まで続きました。
夕食の後、私は息子に聞いてみました。
「まなぶくん、昼間、めぐみちゃんと羽根つきをしていたでしょう」
 息子は「うん」とうなづきました。
「めぐみちゃんが、遊ぶのをやめると言った時、新しい遊びを考え出したじゃない。
 どうして思いついたの」

「めぐみちゃんが、ボクと遊ぶのをやめると言い出した時、ボク、ちょっと腹が立ったんだ。
でも、どうして腹が立ったんだろうと考えてみたんだ。
それでね、ボクはめぐみちゃんともっと遊びたいと思ってたから腹が立ったんだ、とわかったの。
それに、めぐみちゃんだって、ほんとうはボクと遊びたいんじゃないかな、と思ったんだと気がついたの。
ただ、ボクに打ち負かされてばかりで、つまんなくなっちゃったんだと気がついたの。
それで、やめると言い出したんだ、と思ったの。
ボクも、めぐみちゃんも遊びたい。
だったら、どうすればいいんだろうと考えたんだ。
そうしたら、突然ひらめいたんだよ」

私が「そうか。すごくよい考えだよ」というと、息子は嬉しそうな顔をしました。

息子との会話の後で、私は、息子の内側から、自分をも相手をも生かすような知恵が うまれてきたのはどうしてなのだろうと、考えてみました。

妹が羽根つきをやめると言い出した時、息子は、妹を責めることも、
自分を責めることもしませんでした。

彼は、ちょっと立ち止まって、自分の心を振り返ってみたのでしょう。

そして、自分の中に妹と遊び続けたいという思いのあることに気づいたのだと思います。

それから、さらに妹がどうして羽根つきをやめたくなったのか、妹の気持ちを思いやったのでしょう。

そして、妹が、打ち負かされてばかりいるので、つまらなくなってやめたくなったのだ、ということに気づいたのです。

その気づきから、兄は新しい遊びのルールを思いつくことができたのです。

兄は、自分の妹に対する不満感の奥に、妹ともっと遊び続けたいという欲求があることを発見しました。

それと同時に、妹の不満感の奥にも、ほんとうは自分と遊びたいのだという欲求を発見したのです。

自分と相手のほんとうの欲求に気づいた時、競争ゲームを協力ゲームに変えるという、 まったく新しい創造的な解決策が、兄の中に生まれてきたのです。

自分と相手の間にトラブルが生じた時、大切なことはちょっと立ち止まって、自分を振り返ってみることです。

自分の感情や欲求をリアルに洞察することができると、相手の感情や欲求をも、リアルに推察することができます。

すると、自分と相手の間にある、感情や欲求の葛藤をしっかりと突きとめることができるようになります。

私たちが、葛藤によって引き起こされる不安から逃れようとしないで、葛藤自体に直面して、その葛藤を自己の責任として引き受ける時、 新しい葛藤の解決策が生まれてくるのではないでしょうか。

長い間、私は、人間の本質を探究してきました。
そして、私たち人間の本質は、自由な愛にもとづいて創造性を発揮することにあると確信するようになりました。

言い換えるなら、人間とは、既成の価値基準を超えて、自己と他者の現実を、絶えず新たに受けとめ直し、 自己と他者をともに生かすような解決策を考え出すことのできる存在であると・・・。

誰でもが、このような人間の本質を実現することができるようになることを願って、 私は、セルフ・カウンセリングという方法を創り出したのです。

2003年3月

渡辺康麿

つづく・・・


次回は「プロローグ」をお送りいたします。

どうぞ、お楽しみに!


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