セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 293 号 2019年 5月 15日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?

これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。

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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜「自分の心に出会える本」
 23号〜「自己形成学の創造」
 32号〜「セルフ・カウンセリングの方法」
 62号〜「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」
136号〜「大人の自己発見・子どもの再発見」
176号〜「自分を見つける心理分析」
286号〜 新連載「避けられない苦手な人とつきあう方法」

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。

そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう その人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探究の方法が基礎になっています。


☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆


セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。

家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。

テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。

もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。

自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。

まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。

して、相手の気持ちがわかります。

そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。

人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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「避けられない苦手な人とつきあう法」
渡辺康麿著  より抜粋
( vol . 8 )
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― 第二章 ―
避けられない職場の人間関係
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ー 同僚 ー
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花田まり[会社員・20代女性]

【研究動機】

☆★☆書くことができなかった場面 ☆★☆

この場面のことは、ずっと私の心に残っていて、いま思い出しても嫌な気分になります。
この場面に登場する方々は、すでに退職されていますが、私は、今まで気になりながらも、書くことができませんでした。
2月から、以前勤めていた職場に再び復帰することになり、この場面を取り上げる良いチャンスではないか、と思いました。
私が、目をそむけ続けてきた原因を見つめ、理解することにより、同じような状況に出会った時により良く対応できるようになりたいと思い、 私は、この場面を探求することにしました。
特に、なぜこの時のことを思い出すと、いまだに嫌な気分になるのかということを知りたいと思いました。
また、この時私は、どのように対処していたら良かったのかということも知りたい、と思いました。


☆★☆流しで泣いていたKさん☆★☆

日時:1994年2月頃 午前9時半頃

場所:事務所の廊下

登場人物:私(29歳)
     Kさん(32歳)
     Sさん(38歳)

Kさんが入社してすぐの、洗濯当番だった時のことです。
掃除当番だった私は、雑巾を洗い終えて、部屋に向かいました。
すると、部屋の入り口のところで、同僚3人が、流しのほうを心配そうな顔をして見ていました。
私は、部屋に入らすに、そのまま流しへ進んで行きました。

【場面記述】

Kさんは、目にエプロンの裾を当てていた。

私は〈あっ、Kさん、泣いてる。
どうしたんだろう?
Sさんと何かあったのかな?
あの二人、折り合い悪いし、Sさんは悪い人じゃないけど、キツイから、慣れるまでたいへんだろうな。
でも、水屋の中でなくて、廊下で泣くなんて信じられない。
なんで、わざわざ廊下なの?
皆にアピールするため?
いやだなぁ。
まずいところにきちゃったなぁ。
二人の争いに巻き込まれたくないよ。
でも、皆も見てるし、いまさら引き返したり、知らんぷりはできないよ。
とにかく、何か声をかけなくちゃ!〉と思った。

私は「Kさん、どうしたの?」と言った。

私は〈あーあ、なんか白々しいなあ。
全然、心配なんかしてないのにさ。
とりあえず、泣いてる理由を聞いてみるか、っていう程度なのに、偽善者ぶってる自分がイヤになるな〉と思った。

Kさんは「どうしてSさんが、あんなにイジワルするのか。
私には分からない」と泣きながら言った。

私は〈やっぱり、Sさんのことか。
参ったな。
でも、そんなことで、いい年した大人がこんなとこで泣くかなぁ。
Kさんて、一体どういう人なんだろう?
まだ入ってきたばかりだから、よく分からないんだけど、どうも私、苦手なのね。
なんでだかは、分からないんだけど。
こうしてSさんのことを第三者の私に言いつけるっていう、その態度から信じられない。
普通は、事情の分からない相手に対して、そういう告げ口はしないよね。
べつにKさんのことを可哀想には思わないけれど、声もかけちゃったし、 泣いている理由も聞いちゃった以上、何も言わないわけにはいかないよね。
なにか、Kさんが泣き止むようなこと言わなくちゃ。
あー、目の前に泣いてる人がいるのって、嫌だな。
落ち着かない。
まるで私が泣かしているみたいじゃない。
泣き止んでよ、Kさん。
こんなところで、人前で目立つところで泣かないでよ。
あー、もう何て言ったら、Kさんは納得するんだろう?
とりあえず、Sさんのイジワルな態度に悲しんでいるというか、怒っていて、悔しいみたいだから、 そういう人だということを言えば、落ち着くかな〉と思った。

私は「まぁ、Sさんはそういう人なんだからさ、あまり気にしないでだいじょうぶだよ。
とにかく、もう泣かないで、ね?
皆心配するし、そうしたら、やりづらいじゃない?
二人とも同じ部屋なんだからさ」と言った。

私はKさんの肩に手を置いた。

Kさんは「うん」と言った。

私は〈あーあ。
私ったら、いったいなに言ってるんだろう?
いくらKさんが泣いているからって、これじゃあ、一方的にSさんが悪いみたいじゃない?
二人の間に何があったのかも知らないのにさ。
Sさんゴメンネ。
Kさんが泣いているのを見たら、動揺して、迎合しちゃったよ。
私って、イヤな奴だなぁ。
パニクルと、その場を収めるために、口から適当なことを言っちゃうんだから。
今だって、他の言い方もあっただろうに、私ったら、その場にいる人に都合が良いように言っちゃうのよね。
あぁ、もうホントに、なんかすごく嫌な気分。
どうして朝から、こんなことに巻き込まれちゃったんだろう?〉と思った。


【記述による発見】

☆★☆泣かれるのは苦手☆★☆

自分欄の〈全然、心配なんかしていないのにさ〉という心のセリフから、
私は、泣いているKさんに対して、可哀想とか、心配するという気持ちを抱いていなかったことに気づきました。
また、〈あー、目の前に泣いている人がいるのって、イヤだな。落ち着かない〉という文から、
私は目の前で人に泣かれるという状況が苦手なことが分かりました。
〈でも、そんなことで、いい年した大人が泣くかなぁ。
あー、目の前に泣いている人がいるのってイヤだな。
落ち着かない。
泣き止んでよ、Kさん。
こんなところで、人前で目立つところで泣かないでよ。
とにかく、もう、泣かないで、ね?
Kさんが泣いているのを見たら、動揺して、迎合しちゃったよ〉
このセリフを読み返してみると、私は、Kさんが泣くほどの思いをしたのだということにも、 なぜ、Kさんが泣くに至ったのかということにも、関心がなかったことに気づきました。
大人のKさんが泣くということ自体に、私は不満感を持ち続けています。
さらに、Kさんが人目につく場所で泣いていることに対して、不快感を抱いていることに気づきました。

☆★☆その時の私の感情を見つめて☆★☆

〈でも、皆も見てるし、いまさら引き返したり、知らんぷりはできないよ〉
〈まるでわたしが泣かしているみたいじゃない〉という心のセリフから、 私が周囲の目をとても気にしていることに気づきました。

以下、次号(後半)へつづく・・・


・・★・・ 編集後記 ・・★・・

新年度、新しい環境になり二カ月経とうとしています。

木々の緑が色濃くなって、草木の芽が伸びる頃を迎えています。
心身の変化を感じつつ深呼吸して、気持ちを新たに、  自分と自分の回りの変化に目を向ける機会になるかもしれません。
気候の変化を身に感じつつ身体も心も変化を感じながらちょっと立ち止まってみてはいかがでしょうか。
目まぐるしく過ぎてゆく生活の中で、息を抜く時間を大切にしたいものです。
皆さまとご一緒に考える機会となれば、嬉しく思います。
ご一緒に考えてまいりましょう。

次回を、どうぞ、お楽しみに!

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