セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
第 297 号 2019年 7月 15日
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?

これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。

〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜「自分の心に出会える本」
 23号〜「自己形成学の創造」
 32号〜「セルフ・カウンセリングの方法」
 62号〜「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」
136号〜「大人の自己発見・子どもの再発見」
176号〜「自分を見つける心理分析」
286号〜 新連載「避けられない苦手な人とつきあう方法」

〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

**********************************

人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。

そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう その人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探究の方法が基礎になっています。


☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆


セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。

家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。

テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。

もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。

自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。

まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。

して、相手の気持ちがわかります。

そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。

人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

*********************************
「避けられない苦手な人とつきあう法」
渡辺康麿著  より抜粋
( vol . 12 )
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
― 第二章 ―
避けられない職場の人間関係
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ー 教師 → 生徒 ー
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

増田陽子 [教員・30代女性]

【研究動機】

☆★☆いつまでも、居残っているんだもん☆★☆

授業が終わっても、生徒とコミュニケーションを心がける先生がよい先生なのだと、私は思っています。
けれども、自分自身について言うと、授業が終われば、たまった公務を片づけたり、 テストの採点をしたり、教室整備をしたり・・・といろいろ忙しいのです。
やり残した持ち帰る先生もいますが、私は家に仕事のことを持ち込むことは避けたいと思っています。
それで、授業が終わった後で生徒が私に話しかけても、私はなるべく生徒の話に乗らないようにしています。
しかし、そうしながらも、〈先生がこんなことしててもいいものだろうか〉と悩んでいました。
私は、この悩みを解決するために、セルフ・カウンセリングをしてみようと思いました。

【状況説明】
放課後の職員室
私は〈明日の一時間目に使うプリント、まだコピーしていなかった〉と思った。
私はワープロで2枚のプリントの原本を打ちだし、足早に印刷室に向かった。
印刷室に行くとき、自分のクラスの前を通った。
廊下側の窓が一部開いていた。
ふと教室のなかを覗くと、教室には7、8人が居残っていた。
うち5人ほとは、ふざけあって遊んだり、残りの数人は窓際や机のところで本を読んでいた。
その中に高松君がいた。
高松君は、机に座って本を見ていた。

【場面記述】

私は歩きながら、〈あー。まだ、居残っている。嫌だな。
高松君が話しかけてくるスキを、与えないようにしよう。
仕事があって忙しいというフリをしてなくちゃ〉と思った。

高松君が「あっ、陽子先生だ」と言った。

私は〈ゲッ。見つかっちゃった〉と思った。

高松君は「陽子先生!」と呼びながら、見ていた本を投げ出して、廊下に飛び出してきた。

私は〈じょうだんじゃないわよ。私はこれコピーしたら、すぐ帰るんだからね。
気がつかなかったフリをするぞ。
そう、私には今、なあんにも聞こえなかった、聞こえなかった>と思った。

私は印刷室に向かって歩いた。

高松君は私を追い越して、印刷室のほうに走っていった。

私は〈うそでしょ! かんべんしてよ〉と思った。

私は顔を上げないようにして歩いた。

前方から、「陽子先生! またコピーやるんでしょ。カギあいてるよ!」と高松君の大きな声がした。

私が印刷室に入ると、コピー機の前に高松君がいた。

高松君は私の顔を見て、にこにこしていた。

私は目の前が、真っ暗になる思いだった。
〈どうして、いっつも、こうなんだろう。
さっさと塾へ行くなり、家に帰って勉強するなりすればいいのに。
今日は、ぜったい、口きいてあげないからね。
高松君となんか、しゃべりたくないよ。
早く帰れって言ってやろうかな〉と思った。

私はチラッと、高松君を見た。

私は、「うーん。高松君さあ。
まだいるの?早く帰ったほうがいいんじゃない?」と言った。

私は〈感情がでちゃったかな〉と思った。

高松君は「ハイ」とうなずいた。

私は〈冷たくしているのに、高松君は素直だな〉と思った。

私はコピー機に原稿をセットしてスタートボタンを押した。

高松君は「きのうさあ、テレビのワイドショー見たあ? チョー面白かったんだょお。
陽子先生は見るヒマなかったあ?」と言った。

私は〈また、しゃべり始めた。さっき返事したのに、分かってないな。
さっさと帰ってほしい〉と思った。

私はコピー機を見たまま、「先生は、夜は家のことで忙しいから」と言った。

高松君は、昨夜のテレビのことを話し続けた。

コピー機は止まった。

私は2枚目の原稿をセットして、スタートボタンを押した。

私は〈あー! しまった。これは縮小するんだった〉と思った。

私はあわててストップボタンを押し、操作をやり直した。

私は〈まったくもう!
ごちゃごちゃ話しかけるから、まちがえちゃったじゃないの〉と思った。

高松君は「二組の山田先生ってさあ、どこに住んでるのかなあ?
このあいだ、本屋で見かけたんだあ。
マンガを立ち読みしてたんだあ。
こーんな真剣な顔してさあ。
声かけちゃあ悪いかなあと思って、しらん顔してたんだあ。
陽子先生だったら、そんなとき、声かけるう?」と言った。

私は〈うっかりマンガなんて立ち読みできないなあ。
お母さんたちに言われたりしたらカッコ悪いなあ。
それにしても、山田先生のこと、どこの本屋で見かけたのかな?
聞いたりしたら、話が長くなりそうだから、止めておこう。
もう、早く帰ってよ〉と思った。

私は「うーん、私だったらどうするかなあ。
ねえ、高松君。いつまでもそうやってると、塾に遅刻しちゃうんじゃない? もう帰りなさい」と言った。

高松君は「ハイ」と言った。

私は〈返事は素直だなあ。ちょっと、私って冷たいかなあ〉と思った。

高松君は「うちの母親がさあ。
ときどき、ヒステリー起こすんだよねぇ。
ボクに当たることないと思うんだけどねえ」と言った。

私は〈へー。
あのいつも素敵におしゃれしてくるお母さんも、ヒステリーなんか起こすのかあ。
それにしても、また、いつまでも居座られてしまうと、嫌だなあ。
私は早くコピーして、早く帰りたいのに。
今日は友達と会う約束もあるし、早く帰りたい>と思った。

 私は  コピーした紙をたべねていた。

高松君は「じゃあ、さよなら」と言った。

私は〈あれ? 話が途中のようだった気がするけど、返事をしなかったからかな。
でも、よかった。やっと帰れる〉と思った。

私は「はい、さよなら」と言った。

高松君はドアを出ていった。

私は〈私のサヨナラの言い方、ヤレヤレという感じがでてしまっていたかな。
私がかなあ。
でも、高松君って、いっつも、私をムシャクシャさせるような言い方をしたり、態度をとったりするんだもん。
しつこいし、ベターってまつわりついてくるような感じで、どうも好きになれないな。
イヤだという思いが顔にでないようにしながら話すのは苦痛だなあ。
つい、イヤミな言い方をしてしまいそうで、疲れるなあ。
でも生徒じゃ、がまんしなければなあ>と思った。

【記述による発見】

☆★☆私は嫌っていたんだ☆★☆

私は記述をしてみて、次のようなことに気づきました。

この時、私はとにかく、仕事が終わったら、早く帰りたいと思っていました。

以下、次号(後半)へつづく・・・


・・★・・ 編集後記 ・・★・・

日々、天候の変化を感じながら蝉の声が待たれます。
2019年、後半に入りました。

暑さに向かい、日常の出来事を振り返りありのままの気持ちを見つめ直し 2019年、前半を振りかえり、後半に思いを馳せさまざまな出来事を考える機会になるかもしれません。

季節の変化、気候の変化を感じつつ自分と自分の周りを見つめ心身の備えを考えてまいりましょう。

目まぐるしく過ぎてゆく生活の中でちょっと立ちどまり息を抜く時間を大切にしたいものです。

皆さまとご一緒に考える機会となれば、嬉しく思います。
ご一緒に考えてまいりましょう。

 次回を、どうぞ、お楽しみに! 

**********************************

【閉じる】


Copyright©セルフ・カウンセリング学会/渡辺康麿
「セルフ・カウンセリング®」は登録商標です。