セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
(”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
第 311 号 2020年 2月 15日
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?

これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。


〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜「自分の心に出会える本」
 23号〜「自己形成学の創造」
 32号〜「セルフ・カウンセリングの方法」
 62号〜「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」
136号〜「大人の自己発見・子どもの再発見」
176号〜「自分を見つける心理分析」
286号〜 新連載「避けられない苦手な人とつきあう方法」

〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

**********************************


人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。

そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう その人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探究の方法が基礎になっています。


☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆


セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。

家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。

テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。

もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。

自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。

まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。

して、相手の気持ちがわかります。

そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。

人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

*********************************
「避けられない苦手な人とつきあう法」
渡辺康麿著  より抜粋
( vol . 26 )
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
― 第三章 ―
避けられない家庭の人間関係
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ー 嫁 → 義母 ー
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


吉川玲子 [40代女性]

【研究動機】

☆★☆姑の立場で書いてみたい☆★☆

私は、「毎朝、夫に、洗面用のタオルを手渡す姑とのやりとりの場面」を探究テーマとしました。
それを私は“姑の立場での代記述”で書いてみました。
“代記述”というのは、他者の立場に立ち代わり、その思いをより深く理解するとともに、視点を変えた自己発見にもつながっていきます。

☆★☆代記述での表現の気づき☆★☆

代記述では、姑の立場を“私は・・・”と自分欄に書き、私自身の立場を“嫁は・・・”と相手欄に書いていきます。
この作業の過程で、私は奇妙な感覚にとらわれました。
いつの間にか、私は姑の立場にのめりこんで、私自身を遠く離れたところから見ていることに気がつきました。
それでも、姑がいつも私を呼んでいたように“カズコさん”と書くと、私の心が揺れ、落ち着かなくなってしまうのです。
そこで、私のことを“K子さん”と書き表し、夫の名前もイニシャルで表すことにしました。
気づきを書く時は、〈これは姑自身の気づきではなく、あくまで私自身の姑理解に過ぎないのだ〉ということを念頭に置きながら進めました。
姑の立場での気づきは、連想ゲームのように次々に浮かんできました。
私は、その気づきを書きとめるとともに、嫁の立場からの気づきも書く、という二重の気づきに取り組んで行きました。
ここで、代記述の会話の部分と行動だけを抜き出してみます。

【場面記述】

私は、台所の椅子に座っていた。

嫁は、台所に入ってきた。

 私は「おはようございます」と言った。

 嫁は「おはようございます」と言った。

 息子は、台所に入ってきた。

 私は「おはよう」と言った。

 息子は「うん」と言った。

 息子は、洗面台の前に立った。

 私は、戸棚からタオルを出して、息子のそばに置いた。

 嫁は「あなた!自分で使うタオルくらい、自分で持っていらっしゃい。

 小さい子じゃないんだから、いちいち親に出させないの」と言った。

私は「私が勝手にしたのよ。もうやらないわ。
あの子は小さい頃、ちっともかまってやらないで、長男だからって怒ってばかりいるから。
罪ほろぼしと思ってやっているのよ」と言った。

 嫁は「もし私がダイ(自分の子供)に、そんなことしたら怒るでしょ」と言った。

 私は、台所を出て2階へ上がった。

☆★☆ふたつの立場での気づきをくらべて☆★☆

自分の欲求をみつめて感じたことは、  欲求表現がより具体的になっていることでした。
自分の欲求ですと、記述文に表現された以外の思いも含めて、ついつい抽象的になりがちです。
例えば“私の気持ちを分かってほしい”などのようにです。
それに対して、他者理解の場合は、記述文に即した欲求表現になるので、”皆のなかに溶け込もうとしている私の気持ちを分かってほしい“とか ”息子に罪ほろぼししたい“と思った理由を分かってほしい“などのような具体的表現になりました。

☆★☆姑の思い☆★☆

姑は、嫁である私に対して、終始“嫁の機嫌が良いか悪いか”ということを気にしていたことに気づきました。
これは“いつも快い雰囲気のなかで暮らしたい”という姑の願いであったことは勿論のことですが、 それ以上に、この場所(長男の家)が自分の安住の場所であることを願っていたのではないか、と思いました。

☆★☆私に対する嫌悪感は?☆★☆

全体を通して、“姑→嫁”の感情のなかに、“嫌悪感”や“恨み”という表現がほとんどないことに気づきました。
前回の自己探究では、“私→姑”の感情として、“怒り”や“嫌悪感“や”拒絶感“などを取り出しています。
私は、この違いの理由を考えてみました。
他者理解段階の場合、対象関係の“私→姑”の嫁というのは私のことになります。
そこで、私のなかで無意識のうちに、他者からの恨みや嫌悪感を排除しよう、とする思いが働いたのかもしれません。
一方で、姑は、”嫁に嫌われたくない””私を嫌わないでほしい”という欲求を強く持っていたことが理解できました。
そうだとすると、“自分を嫌わないでほしい”という相手に対して嫌悪感を抱くということは不自然です。
以上の理由で、姑は、私に対して嫌悪感はなかったんだろうな、と思いました。

☆★☆姑の思いを探ってみると☆★☆

対自関係と対他関係の関連表をみると、“私→私”という対自関係しか取り出していないところが多くありました。
対他対象がないということは、自分に深く心が向いていたためであり、その時の姑のなかには、深い不安があったのではないかと思いました。
また、姑にとって“嫁に嫌われたくない”という不安感もさることながら、“息子まで遠くに行ってしまった”という淋しさ、 孤独感は堪え難かったことだろう、と思います。
それでもなお、“息子の立場さえ良いのならば、私はそれでいい”という思いが、かろうじて自分の孤独感を支えるものだったのではないか、と思えました。
欲求をみると、過去形で表現されたものが多く出ています。
それは“〜したかったができなかった”という後悔や無念さが強くあったからではないか、と思いました。

☆★☆夫(息子)の気持ちを知りたい☆★☆

姑と私の心の動きが共通しているのは、夫が無言でいたことに対して、次第に不安を募らせていた部分でした。

以下、次号(後半)へつづく・・・

・・★・・ 編集後記 ・・★・・

立春を過ぎ、空の色の変化とともに陽射しは、明るく眩しくなっていきます。
木々の花が咲き始め、春を感じる時を迎えています。
緩んだ空気を感じ、気持ちを新たに、身体の変化に目を向けてみてはいかがでしょうか。
季節の変化の中、自分と自分の周りを見つめ直す機会になるかもしれません。
目まぐるしく過ぎてゆく生活の中で、息を抜く時間を大切にしたいものです。
皆さまとご一緒に考える機会となれば、嬉しく思います。
ご一緒に考えてまいりましょう。

 次回を、どうぞ、お楽しみに!

**********************************

【閉じる】


Copyright©セルフ・カウンセリング学会/渡辺康麿
「セルフ・カウンセリング®」は登録商標です。