セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
(”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
第 313 号 2020年 3月 15日
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?

これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。


〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜「自分の心に出会える本」
 23号〜「自己形成学の創造」
 32号〜「セルフ・カウンセリングの方法」
 62号〜「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」
136号〜「大人の自己発見・子どもの再発見」
176号〜「自分を見つける心理分析」
286号〜 新連載「避けられない苦手な人とつきあう方法」

〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

**********************************


人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。

そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう その人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探究の方法が基礎になっています。


☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆


セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。

家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。

テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。

もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。

自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。

まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。

して、相手の気持ちがわかります。

そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。

人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

*********************************
「避けられない苦手な人とつきあう法」
渡辺康麿著  より抜粋
( vol . 28 )
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
― 第四章 ―
避けられない身内の人間関係
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ー 姉 → 弟 ー
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

タイトル「寄りかかってくる弟が重荷だ」(前半)

佐々木真美 [20代女性]

【研究動機】

☆★☆自分の心の奥を知りたい☆★☆

私がセルフ・カウンセリングを受講しようと思ったのは、弟がカウンセリングを受けていたからでした。
弟は、人中に出るのをとても苦痛に感じていました。
そのため、自ら心理相談所を探して、カウンセリングを受け始めました。
そんな弟を見ていて、私は、私自身がカウンセリングの勉強をすれば、弟とよりよくかかわれるのではないか、と思いました。
そこで、セルフ・カウンセリングを受け始めたのでした。
ところが最近、以前のように積極的に、弟とかかわろうという気持ちがなくなってきたのです。
それどころか、以前に感じなかった重さを弟から感じるようになってきました。
どうして弟に対する気持ちが変化したのだろう。
そんな疑問が私の胸にわいてきました。
そこで今回取り上げたのは、弟と電話で話した場面でした。

☆★☆食事支度の最中に☆★☆

今年6月のある金曜日、午後8時頃。
私は仕事から戻り、そろそろ夫から電話がありそうだな、と思いながら食事の準備をしていました。

登場人物・・・私、弟(電話で)

【場面記述】

電話が鳴った。

私は〈彼かな。今会社にいるなら、あと30分くらいで帰ってくる。
料理ができあがるかな〉と思った。

私は走って、電話のところに行った。

私は〈今から帰るという電話なら、すぐ切ることができる。
ガスは点けっぱなしでいいだろう〉と思った。

私は受話器をとった。

私は「はい、鈴木です」と言った。

弟が「姉さん?」と言った。

私は〈なんだ、弟か。
どうしていつも、こんな時にかけてくるんだろう。
電話を待ってたり、料理を作ってたり、私が話す時間の余裕のない時ばっかりだ。
どうせ、疲れた、疲れたしか言わないんだし〉と思った。

私は「何、どうしたの?」と言った。

弟は「いや、元気かな、と思って・・・」と言った。

私は〈いつかけてきても、おどおどしている。
私が何を言うと思っているのかな。
弟のことを怒ると思っているのかな。
うかがうようなところが、イライラするわ〉と思った。

私は「元気よ。あなた、何かあったの?」と言った。

私は〈かけてきた用件を早く言えばいいのに。
でも、あんまりつんけんして言うのもかわいそうだ、こちらの状態は、弟にわからないんだし〉と思った。

弟は「いや、別に・・・」と言った。

私は〈用もないのに、こんな忙しい時にかけないでよ。
でも、何か言いたそうだな。
言いたいことがあれば、早く言えばいいのに〉と思った。

弟は「姉き、明日、家にいるの?」と言った。

私は〈家に来たいんだな。
でも、土曜に家にくると、泊りたがるだろうな。
食事もお酒も用意しなくちゃいけない。
大食い、大酒飲みだから、量も大変だ。
来てもらいたくない〉と思った。

私は「昼間はいるけど、夕方はいないと思う」と言った。

私は〈夕方いないと言えば、来たがらないだろう〉と思った。

弟は「ふーん・・・」と言った。

私は〈ガスを止めようか。
早く用件を言えばいいのに。
もう待てないわ〉と思った。

私は「今、食事の支度をしてるから、もう切るわよ」と言った。

弟は「あっ、そうなの。うん、わかった」と言った。

私は〈話も聞かないで、ちょっとかわいそうかな。
好意的な言葉をかけてあげたほうがいいだろう〉と思った。

私は「また今度、遊びにいらっしゃいよ。
あらかじめ電話してくれれば、まっているから」と言った。

私は〈本当は、愚痴しか言わない弟を呼びたくない。
でも、話をする場がないわけでもないと思ってなきゃ、かわいそうすぎるから〉と思った。

私は「じゃあ、またね」と言った。

弟は「うん、じゃあ」と言った。

私は電話を切った。

私は〈やれやれ、今日は愚痴を聞かずにすんだ。
なんでこんなに弟の電話って気が重いんだろう。
早く料理をつくらなきゃ〉と思った。

☆★☆なぜ、弟が、と書いたのだろう☆★☆

この記述を読み返していて、私はふと気づきました。
それはたった一カ所だけ、○○は、と書かずに、○○が、と書いている、ということでした。
私は、弟が「姉さん?」と言った。と、弟は、と書かずに、が、と書いていました。
なぜここだけ、が、と書いたのだろう。
疑問に思い、何度か読み返しているうちに、この一語に、私の思いが込められているのではないか、 という気がしてきました。
この弟の言葉に対して、私は、〈なんだ、弟か〉と思っています。
私は落胆していたのです。
そう思った時、私は、なぜ自分が弟が、と書いたのか解りました。
私は夫からの電話をとるつもりだったのです。
この電話は夫からだと思い込んでいたのでした。
夫からと思ったら、弟が、こう言った、という思いから、がが使われたのに気づいたのです。

【記述による発見】

☆★☆私は何を心配していたのだろう☆★☆

洞察をしてみるため、記述を何度も読み返してみました。
すると、私の気持ちのなかに心配という感情が流れていることに気づきました。
私は、弟のことを心配していたのでしょうか。

以下、次号(後半)へつづく・・・


・・★・・ 編集後記 ・・★・・

寒暖の変化を肌に感じながら 木々が芽吹き、花が咲いて、陽射しに春の訪れを感じています。
春の訪れとともに、冬から変化する頃を迎えています。
3月11日には東日本大震災から9年を迎えました。
日々の生活の中で、季節の変化、身体の変化に目を向けつつ記憶にとどめて 改めて、いま一度何を大切にしていくか、思い巡らせて、生活したいと思います。
目まぐるしく過ぎてゆく生活の中で、息を抜く時間を大切にしたいものです。
皆さまとご一緒に考える機会となれば、嬉しく思います。
ご一緒に考えてまいりましょう。

次回を、どうぞ、お楽しみに! 


**********************************

【閉じる】


Copyright©セルフ・カウンセリング学会/渡辺康麿
「セルフ・カウンセリング®」は登録商標です。