セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
第 326 号 2020年 10月 1日
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

新型コロナウィルス感染症の影響で苦しみのうちにあるすべての皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。
またその方々のために献身的に働いておられる医療関係者の皆さまへそして社会のライフラインを維持するために働かれている皆さまへ 感謝申し上げますとともに一日も早く元の平穏な日々に戻りますことを心よりお祈りいたします。

**********************************

みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?

これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。

〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜「自分の心に出会える本」
 23号〜「自己形成学の創造」
 32号〜「セルフ・カウンセリングの方法」
 62号〜「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」
136号〜「大人の自己発見・子どもの再発見」
176号〜「自分を見つける心理分析」
286号〜 新連載「避けられない苦手な人とつきあう方法」

〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜

**********************************

人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。

そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう その人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探究の方法が基礎になっています。


☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆

セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。

家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。

テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。

もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。

自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。

まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。

して、相手の気持ちがわかります。

そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。

人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

*********************************

「避けられない苦手な人とつきあう方法」
渡辺康麿著  より抜粋
( vol . 41 )
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
─ 第五章 ─
避けられない友人関係
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ー 近所の人 ー
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

タイトル「おおげさな知人に反感を抱く」(後半)

小川由美 [30代女性]

前号からの続きですので、バックナンバー325号からお読みいただくとわかりやすくなっています。

☆★☆羨ましい思いと自己葛藤☆★☆

*自分欄を読んで気づいたこと

洞察をしてみると、私は、Iさん親子に対して、ただ批判的だったのではなかったことに気づきました。
物おじせずに発言する娘さんに対しては“羨ましい”と感じていました。
その時の私自身は、“物おじせずに、自分の思ったことをそのまんま出したい”という欲求を持っていました。
また、Iさんに対しては“憧れ”“感情に素直なIさんでいてほしい”と感じていました。
その時の私自身の欲求は、“負けたくない”“Iさんより勝った母親でいたい”と取り出せました。
私は〈Iさんに対して、母親としてライバル視しつつ、人としてあこがれていたんだなぁ〉と気づきました。
Iさんによって引き起こされた“不安”は何なのだろうと考えていると、 〈私だって、認められたいもん。私だって、わがまま勝手を言いたいもん〉という心のセリフが出てきました。
そのような私を認めた時、改めて<人間って、そのまんまを受け入れてもらいたいものなのだな。
そして、そこから抜けきることはないんだろうな。
ただ、そんな自分を受け入れていくことが大切なんだな>と思いました。

*自分欄と相手欄を読んで気づいたこと

洞察欄には、Iさん親子に対する“羨ましさ”と、その奥にあった私自身の“私もわがままを言いたい”という欲求が書き込まれていました。
それを見ていて、〈私は、今まで、他者の前で、自分の心の中で思っていることとは違う態度をしてきたんだな〉と思いました。
だから、自分の気持ちをストレートに出していると思えるIさん親子が羨ましかったのだと思いました。
このことから、今まで“本当は嫌だと思っていることに、はっきりノーと言えなかった自分”の姿が、浮かび上がってきました。

☆★☆さらなる発見☆★☆

今回、初めて、場面評価分析と対象別評価分析を行いました。
たくさんの発見がありましたが、その中から幾つかを取り上げてみたいと思います。

*他者から認められる自分について

私は“他者から認められること”というモノサシ(価値概念)で自分を測り、自分がプラスになるように、行動を律してきました。
自分の行動を抑えることになったのは、〈そのまんまの私で良いのだろうか?
それでも認められるのだろうか?〉という不安と願望に、心落ち着かなかったためだと気づきました。
一方で、私は“他者から、より良く評価されようと自分を抑えてきた私”を、マイナスに評価していました。
その奥には、“そのまんまの自分を受け入れること”というモノサシがあったのだと思います。
このモノサシによって、Iさんに対する憧れのような思いが生まれていたんだなと、改めて気づきました。

*Iさんと娘さんの行動について

Iさんの行動と娘さんの行動に対して、興味深い評価像が取り出されました。
私は、“ストレートな感情表現をするIさん”には、マイナスの評価をしました。
ところが、同じような行動をとったIさんの娘さんに対しては、“自分の思いをストレートに人前でだすことができる娘さん” というプラスの評価像を取り出していました。
Iさんに対してだけマイナスの評価になったのは、私のなかに“大人なんだから、TPOをわきまえること”“大人らしく振舞うこと” というモノサシがあったからだと思いました。
Iさんの娘さんに対しては、目茶苦茶な行動をとる子だとマイナス評価しているとばかり思っていたのですが、プラスの評価もしていたことが分かりました。
授業中であるということにとらわれず、自分の思ったことを、即、行動に移し、 参観中の母親に大声で話しかける娘さんに対して、そういう大胆さへの憧れが、私のなかにあったのだと思いました。
私は、この場面の様子から、Iさんの人間性を〈家庭においても社会においても、自分の思うままに行動している人なのだ〉と感じました。
そして、“好き放題にしているIさん”というマイナスの評価像を取り出していました。
この評価像の奥には“好き放題にしないこと”という私の規範があったのだと気づきました。

*自分を高く評価したかったんだ

さらに、私は“Iさんの母親像”も否定していました。
“分別をわきまえずに行動しているIさん=大人らしくも母親らしくもないIさん”とマイナス評価し、 Iさんのお子さんたちもマイナス評価することによって、Iさんの子育てを否定していました。
でも、この評価像は、私の自己評価の試みでした。
自己評価不安に陥った私は、“母親らしさ”というモノサシを引き出してきました。
そして、〈私は母親らしさにおいては、Iさんより勝っている〉として、防衛を図っていたのです。
私は、自分の子供たちを、とても高く評価し、〈私は、良い子育てをしている〉と思っていることに気づきました。
だから、私は自分に自己評価不安がやってきた時に、“母親らしさ”という土俵を用意して、 自分を守ってきたのだなぁと気づきました。
このような心のからくりの発見を、とても興味深く感じました。
自分を守るために、“良い子育て”を持ち出したことに気づいたことで、私は〈自分のために子育てをしていたのかもしれない〉と思いました。
今一度、子供たちとのかかわりを見つめ直しておいたほうが良いなと思いました。

*私の子供たちについて

“子供がいい派”にいた我が息子に対して、私は“Iさんの娘さんのように、その場で母の自慢をしなかった息子” というマイナスの評価像を取り出していました。
この評価像は、息子にしてみれば、言いがかりとしか言いようのないことだったなぁ、と思いました。
けれども、わが子に、このようなことを期待せずにいられないほどに、私の心は“自分の存在を認めてほしい”と望んでいたのだなぁ、と思うと、 自分がいじらしく思えてきました。

☆★☆苦手な人への思いがどんどん変わっていった。☆★☆

この一連の探究を通して、私はいろいろなことに気づきました。
苦手だと感じていたIさんに対して、“羨ましさ”や“憧れ”を感じていたこと。
その背景には、自分の思いを抑え律してきた自分自身に対する不安が存在していたこと・・・
私は、自分の内に“あるがままの自分をそのまま受けとめたい、受けとめられない”という思いが、 いかに強く存在しているのか、認識することができました。
それが表面化したことで、私は常に自分の言動のもとに、その思いがあることを感じています。
そして、そんな自分をいつくしんでいる今があります。
また、Iさんに対しては苦手意識が弱まり、〈かえって、良いことを気づかせてもらえた〉と、 ありがたく思えるようになってきました。
この探究の後、〈一度、Iさんと話してみたいな〉と望んでいましたら、本当に、そのような機会に恵まれました。
Iさんについて、私は〈好き放題にして、育児のこととかを真剣に考えたりしてないんじゃないかな〉というイメージを持っていました。
しかし、実際にお話をしてみて、Iさんは、ご自分の生き方や夫婦のあり方、子育てについて、自らの家庭観をしっかりと持っていることを知ることができました。
そして、実は、思春期の息子さんに、母としての存在を無視するような言動をとられて、つらい思いをしていることも分かりました。
このことから、私は、自分の思い込みで他者を測ってしまいがちであることに気づきました。
ありのままの他者の姿は、また別のものであることを、はっきりと知ることができました。
このような多くの気づきを私に与えてくれたセルフ・カウンセリングの学習を、これからも続けていこうと思っています。
そして、ありのままの自分を受け入れ、他者との素晴らしいかかわりを積み重ねていきたいと思います。

つづく・・・

次回は「苦手意識を克服する」をお送りいたします。
どうぞ、お楽しみに!

**********************************

【閉じる】


Copyright©セルフ・カウンセリング学会/渡辺康麿
「セルフ・カウンセリング®」は登録商標です。