※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                            セルフ・カウンセリング          ♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪             ( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                     第 340 号  2021 年 5月  1日 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    新型コロナウィルス感染症の影響で苦しみのうちにあるすべての皆さまへ    心よりお見舞い申し上げます。    またその方々のために献身的に働いておられる医療関係者の皆さまへ    そして社会のライフラインを維持するために働かれている皆さまへ    感謝申し上げますとともに一日も早く元の平穏な日々に戻りますことを    心よりお祈りいたします。     **************************************    みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」    334号〜 新連載「わかっていてもイライラするお母さんへ」 バックナンバーはこちら→ http://www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「わかっていてもイライラするお母さんへ」       幼児の心が見えてくるセルフ・カウンセリング                                  渡辺康麿著  より抜粋                         ( vol . 7 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          ─ お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 ─             ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 1 子どもなんて大嫌い!    子どもを愛せない自分を見つめて     岩木典子 本当は子どもを抱きしめたかったんだ!    ( 体験記 1 ー 後半 )     前号からの続きですので、バックナンバー339号から     お読みいただくとわかりやすくなっています。  ■新しく書いた場面  【なんでいつも、私を困らせることばかりするの!】  【状況説明】  おばあちゃんの家に行く途中、バス停でバスを待っていた時のこと。  雪で道路がぬかるんでいるせいか、バスは遅れていて、なかなかやって来なかった。  一樹は雪で小さなボールを作り、遊んでいた。  【場面記述】  一樹は「ハイ、おにぎりィー」と言いながら、雪のボールをさし出した。    私は雪のボールを受け取りながら「はい、ありがとう」と言った。    私は、食べるまねをしながら「ウン、おいしい、おいしい」と言った。    一樹は「何のあじ?」と言った。    私は「たらこの味」と言った。    一樹はニコニコ笑い、また雪のボールを作った。    一樹は「ハイ、おにぎりィー」と言いながら差し出した。    私は「ハイ、モグモグ」と食べるまねをした。    一樹は「何のあじ?」と言った。    私は「ウッ、スッパーイ!」と言って、わざと顔をしかめた。    一樹は「ネッ、ネッ、何のあじ?」と言いながら、ケタケタと笑った。    誰かが後ろから「岩木さん」と言った。    私はふり返った。    おとなりの藤野さんが、めぐみちゃんの手を引いて立っていた。    私は「アラ!」と言った。    藤野さんは「こんにちは。バス、遅れてるのかしら」と言った。    私は「ええ、今10時10分ですけど、9時58分のまだきてないみたいですよ」と言った。    一樹が私の長ぐつをコツコツと後ろからけってきた。    私は<何をやってるのかしら。うるさいな>と思った。    私は足をどけた。    私は「お急ぎですか?」と言った。    藤野さんは    「ええ。     この子のピアノの発表会が1時からあるんですが、少し早めに行きたいと思って」と言った。    私はめぐみちゃんを見た。    めぐみちゃんは髪の毛をリボンで結び、かわいらしいクリーム色のコートを着ていた。    私は<それで二人ともおめかししているのか>と思った。    一樹はコツコツと足をけってきた。    私は<しつこいな。いったい何だっていうの!>と思った。    私は振り返った。    一樹は、私の後ろにしがみつきながら隠れた。    藤野さんは「一樹ちゃんはどこに行くのかな」と、一樹に声をかけた。    一樹は私の後ろに隠れたまま、私の足をコツコツとけっていた。    私は<何やってるのかしら。おばあちゃんのところって言えば良いのに>と思った。    藤野さんは「一樹ちゃんは恥ずかしがりやさんなのね」と言った。    私は<いつも、このくらいの挨拶なら、ちゃんと出来るのに。今日はどうしたのかしら>と思った。    私は「一樹。ご挨拶は?」と言った。    一樹は私に引っぱられながら、溶けかかっている雪をけった。    茶色い雪が、めぐみちゃんのコートと白いタイツに飛んだ。    私は<アッ!いけない、どうしよう>と思った。    私は「こらっ!一樹!」と言った。    めぐみちゃんがべそをかき始めた。    私は「めぐみちゃん、ごめんなんさい!」と言いながら、ハンカチでコートとタイツを拭いた。    藤野さんも、ハンカチでコートとタイツを拭いた。コートとタイツには、茶色のシミが残った。    私は「どうしましょう。発表会のお洋服をよごしていしまって。     ごめんなさい。本当に申し訳ありません」と言った。    藤野さんは「いいですよ。コートの下は汚れてませんし、タイツも本番までに乾きますから。     乾いたのをこすれば、シミも目立たなくなるでしょう。どうぞ気になさらないで」と言った。    私は「申し訳ありませんでした」と言った。    私は<気を悪くされたんじゃないかしら。     お隣同士なのに。これから気まずくなったらどうしよう。もう!一樹ったら!     いつも私を困らすことばかりするんだから!>と思った。  ☆★☆ 一樹の気持ちが見えてきた ☆★☆  一樹は、最初は機嫌よく私と遊びながらバスを待っていました。  ところが、私が藤野さんと話しだすと、私の足をけり出したのです。  私が足をどけても、しつこくけって来ました。  一樹が、どうして、こんなことをしたのか、この時の私にはさっぱりわかりませんでした。    けれども、この時のことを記述に書き、繰り返し読み返すうちに、  少しずつ、この時の一樹の気持ちが見えて来るような気がしてきました。    この時、一樹は、私の関心を引くために、私の靴を何度もけっていたのではないでしょうか。  藤野さんと話している私を見て、自分だけ忘れられたような落ち着かなさを感じ、  私の足をけることで、自分の存在をアピールしたかったのではないでしょうか。    コツコツと私の足をけったのは、そんな一樹の、自己主張と不満の表現だったのかもしれません。    「もっと遊んで」とだだをこねることも出来たのに、  そうせずに、ただ、黙って私の足をけっていた一樹の気持ちが、  何だか、とても、いじらしく感じられてきました。  ☆★☆ 自分の中の母親のイメージにこだわりすぎていたんだ ☆★☆  そして、この場面を読み返している時、私は、もうひとつうれしい発見をしました。    それは、一樹と、心から楽しみながら遊んでいる私の姿でした。  一樹とおにぎり遊びをしている時、私は一樹をかわいいと感じていました。  何でもない“ごっこ遊び”に、夢中になっている一樹に、  ほほえましさといとおしさを感じていたのです。  私もつい芝居っ気を出して、「ウッ、スッパーイ!」と言って、顔をしかめて見せたりしていました。    この出来事を、場面に記述するまで、  私は、この時自分が一樹と一緒に楽しく遊んでいたこと、  また、一樹をかわいいと感じていたことを、すっかり忘れていました。    私がこの出来事を取り上げようと思ったのは、  “私を困らせるような、おかしなことをする一樹”の姿を見つめて見たかったからでした。  けっして、一樹と良いかかわりをした時のことを見つめてみようと思って、  この出来事を取り上げたわけではありません。    私の中に、“こんななんでもない、子どもとのやりとりには、何の意味もない”  という思いがあったのかもしれません。  けれども、改めて、記述に書いて、読み返してみると、  そんな“なんでもない子どものとのやり取り”の中に、  紛れもない、私自身の子どもに対する愛情を、感じとることが出来たのです。  私は、“母親の子どもに対する愛情”というものを、  もっと、ドラマチックなものだと考えていたようです。    <本や、ドラマの中に出て来る母親は、子どもに対する愛情を、とても、感動的に語っている。  私は、知らず知らずのうちに、そんな母親のイメージと自分とを引き比べていたのかもしれないな。  でも、実際は、なんでもない、日常のやり取りの中で、  私は一樹に対して、いとしさを感じていたんだ。  私は、自分の中の母親のイメージにこだわりすぎて、  そんな自分の姿に、気づけなかったのかもしれない>    これは、私にとって、とても大きな発見となりました。  ☆★☆ 本当は一樹を抱きしめてあげたかった ☆★☆  私は、この場面を探究するうちに、自分の気持ちが、少しずつ落ち着いて来るのを感じました。    <今なら、もう一度、最初の場面、【子どもなんか、産まなければ良かった!】を、  読み返してみることができるかもしれない>    私は、最初の場面記述を、おそるおそる読み返してみました。    “<涙と鼻水が、ブラウスにくっつく!>私は一樹の手をふりほどいた。”    以前は、この部分まで読んで、先が読み進められなくなりました。  けれども、その時感じたような、身を切られるような苦い思いは、もう起こっては来ませんでした。    私は、自分でも意外なほど冷静に、記述を最後まで、読み進めることが出来ました。    記述を読んで、私が感じたのは、  <こんな自分は見つめたくない>という思いではありませんでした。  それよりもむしろ、  <この時の思いをもっと詳しく、記述の中に表現しつくしてみたい>という思いの方が、  強くありました。  特に、一樹の手をふりほどいた後の、  <アッ!しまった。なんてことしちゃったんだろう!>という個所には、  かんじんなことが言い足りていない、という、不満感を感じました。  私は、この時の自分の気持ちを思い返しながら、心のセリフに表現しなおしてみました。    <アッ!しまった。何てことしちゃったんだろう!  自分の子なのに、きたならしい物を扱うように扱ってしまった。    本当は、どんなことがあっても、子どもを抱きしめてあげられるお母さんになりたいのに。  なぜ、それが出来ないんだろう。こんなお母さんでは、一樹がかわいそうだ>    自分で心のセリフを書いているうちに、不意に涙があふれてきました。    私は、本当は、一樹を抱きしめてあげたかったのです。  洋服などかまわず、抱きついて来た子どもを、そのまま受けとめてあげたかったのです。    子どもを深く受けとめたいと強く願う自分を発見し、  私は、驚きを感じるとともに、そんな自分がうれしくて、胸が一杯になってしまいました。  ☆★☆ 自分なりの子育てを見つけることが出来た ☆★☆  セルフ・カウンセリングと出会って、三か月あまり。  今、私は、私の中で、小さな変化が起こっているのを感じています。  一樹の、何気ない動作や、言葉に“かわいいな”と感じることが多くなりました。  また、“こんなことが出来るようになった”とか、  “こんなことを言うようになった”というような、  一樹の小さな変化に気づくようになりました。  一樹との毎日のやり取りが、少しずつ楽しくなって来ています。  セルフ・カウンセリングで子どもとのやり取りを見つめることで、  私は、初めて、自分らしい子育てを見つけることができたのかもしれません。                               つづく・・・  次回は    「 お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 2 」    をお送りいたします。        どうぞ、お楽しみに!    皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html              →https://www.self-c.jp/学ぶ-セミナー紹介/通信講座で学ぶ/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会    〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** ************************************** ◎このメルマガに返信すると発行者さんにメッセージを届けられます ※発行者さんに届く内容は、メッセージ、メールアドレスです ◎セルフカウンセリング♪自分の心に出会えるメルマガ♪ の配信停止はこちら ⇒ https://www.mag2.com/m/0000231376.html?l=hsr16a88f5