※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                            セルフ・カウンセリング          ♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪             ( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                     第 345 号  2021 年 7月  15日 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    新型コロナウィルス感染症の影響で苦しみのうちにあるすべての皆さまへ    心よりお見舞い申し上げます。    またその方々のために献身的に働いておられる医療関係者の皆さまへ    そして社会のライフラインを維持するために働かれている皆さまへ    感謝申し上げますとともに一日も早く元の平穏な日々に戻りますことを    心よりお祈りいたします。     **************************************    みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」 334号〜 新連載「わかっていてもイライラするお母さんへ」 バックナンバーはこちら→ https://secure02.red.shared-server.net/www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「わかっていてもイライラするお母さんへ」       幼児の心が見えてくるセルフ・カウンセリング                                   渡辺康麿著  より抜粋                         ( vol . 12 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          ─ お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 ─     ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++            4 いつまでも            赤ちゃんみたい!            人見知りが激しい息子に対する             イライラを見つめて          佐藤由美子            落ち着いて息子を見守れるようになった!                ( 体験記 4 ー 前半 )  ☆★☆ どうして一人で遊べないの! ☆★☆  息子の航太は、現在、四歳七か月です。本当は、今年から二年保育の幼稚園にいれる予定でした。  けれども、航太は人見知りが激しく、あまりに母親べったりなので、  これでは無理だと思い、入園を見送りました。    知り合いのお母さんにグチをこぼすと、  「そんなにくっついていてくれるのも、今のうちよ。      うちの子みたいに、大きくなっちゃうと、親がいくら声をかけたって知らん顔なんだから。      今はせいぜい、子どもとの時間を楽しんでいらっしゃい」と言われました。      その方のお子さんは、中学生です。      休みの日に、親子で出かけないか、と誘ったところ、親と言っても楽しくない、と断られたそうです。      確かに、甘えて来る航太がかわいい時もあります。      でも、いつもいつもでは、こちらもうんざりしてしまいます。      育児書などを読むと、  “気のすむまで、母親にくっついていれば、いつか、自然と一人で行動がとれるようになる”と書いてあります。      なるほど、と思い、できるだけ相手をしてやってはいるのですが、   航太の場合、いくら相手をしてやっても、私のもとから離れてゆく気配が一向に現れてきません。  <いつまで、我慢すればいいのかしら>と、次第に、イライラが募ってくるようになりました。   そして、とうとう、いけないと思いながらも、息子に対してどなったり、たたくようになってしまったのです。    「どうして一人で遊べないの!  『お母さん、お母さんて』って、いつまでも赤ちゃんみたいに!いいかげんにしなさい!」     つい口をついて出る、こんな言葉に、  <なんてひどい母親だろう>と、後で自己嫌悪に陥ることが多くなりました。    <何とかしなくてはいけない。   このままでは、航太が、かわいそうだ>そう思っていた矢先、   区の社会教育館で「子育て講座〜セルフ・カウンセリングへの招き」という講座が開かれるのを知りました。   私は、何か解決の糸口がつかめるかもしれないと思い、受講してみることにしました。  ☆★☆ 悩んでいるのは、自分だけではない ☆★☆  講座に参加した人は全部で二十人ほどでした。  メンバーは、私と同じ年ごろの若いお母さんたちばかりです。  自己紹介を聞いているうちに、ほとんどの方が、子育ての悩みを抱えていることがわかりました。  私は、<みんな、悩みながら子育てをしているんだ>と思い、ちょっとほっとしました。    自己紹介が終ってから、講師の先生が、セルフ・カウンセリングについて説明して下さいました。 「セルフ・カウンセリングでは、自分の気持ちをありのままに見つめることに、大きな意味があると考えています」 「私は、みなさんの自己探究のお手伝いを致します。  みなさんの、お子さんへの対応を、私が批判するようなことはしません。  どのような対応が良いのかは、この方法を実践することで、自然と見えてくることと思います」 「この講座では、ありのままの自分の姿や、ありのままの子どもの姿を具体的にみつめるために、  場面記述用紙、という用紙を使います。    この用紙に、ある日ある時のお子さんとのやり取りを、できるだけ具体的に書いてみてください。    その時のことを具体的に書くことが出来たら、書いたものを繰り返し読んでみましょう。  そして、何か気づいたことがあれば、それを書きとめておきましょう」 「セルフ・カウンセリングでは、この気づき、というものを大切なものと考えています。  どんな小さな気づきでも、ぜひ書きとめておいてください。    また、自分の気づきを大切にするとともに、ほかの方の気づきも、大切に受けとめて参りましょう。  講座の中で、気づきを発表しあうような時には、  発表している方のお気持ちをくみとりながら、共感的に聞くようにしましょう。  私は、この講座を、自分も相手もありのままに受け入れる場としたいと思っています。  自分を批判することなく、また相手を批判することなく、お互いに共感しあうことが出来ると良いですね」    先生のお話を聞いているうちに、何だか、うれしくなって来てしまいました。 <今まで、たった一人で悩んでいた。  けれども、共に悩み、考えてゆく仲間ができるかもしれない>そんなうれしい予感を感じたのです。    私は、自宅に帰ると、さっそく記述用紙に、航太とのかかわりを書いてみました。  ■初めて書いた場面記述    【そんな子、ママは嫌いよ!】  【場面状況】    自宅の部屋で。昼過ぎのこと。  私は回覧板を隣の家に持って行こうとしていた。航太はおもちゃで遊んでいた。  【場面記述】    私は「ねぇ、航太。ママ、清水さんの所に回覧板を置いて来るから、ちょっとの間、一人で遊んでてね」と言った。  航太は「イヤッ!ぼくも行くーッ!」と言った。    私は<いやだわ。すぐこれなんだから。ちょっと隣に行って来るだけなのに。     どうしてその間くらい一人でいられないのかしら>と思った。    私は「どうして?ほんの少しの間よ」と言った。    航太は「少しでもイヤッ!」と言った。    私は「もう四歳なんだから、少しぐらいお留守番できなくちゃ、おかしいでしょ」と言った。    航太は「イヤッ!絶対にイヤッ!」と言った。    私は<なんて聞き分けのない子だろう。いつまでもこんなじゃ、来年も、幼稚園は無理だわ>と思った。    私は「どうしてほんの少しの留守番も出来ないの。ママはいつも、航太とずうっと一緒じゃないの。     朝から晩まで、毎日航太につきあってあげてるじゃない」と言った。    航太は「だってぇ・・・」と言った。    私は<何が、『だってぇ・・・』よ。四歳にもなって、まるで赤ちゃんみたい。     もっとしっかりしてよ。いつになったら、お母さんばなれが出来るのかしら>と思った。    私は「少しはママの身にもなってよ。いつもいつもべったりくっついて!ママを困らせないで!     そんな子、ママ大嫌いよ!」と言った。    航太はわあっと泣き出し、私にしがみついて来た。    私は<ああ、また、泣かせてしまった。いやな気分だわ。だけど、航太は男のくせに弱虫よ。     お向かいの梨沙子ちゃんなんか、まだ三つなのにお留守番するし、回覧板だって届けてくれるのよ。     少し厳しく言ってやらなくちゃ、いつまでたっても、母親べったりだわ>と思った。    私は「泣いてもダメ!すぐに戻って来るんだから、ここで待ってなさい!」と言った。    私は航太の手を強く振りほどいて玄関に向かった。    バタンと何かが倒れる音がした。    続いて航太の「ウァ〜ン」という声がした。    私は振り返った。    航太が、床の上にうつ伏せになって泣いていた。    私は「航太が悪いんでしょ。どうしてママの言うこときかないの。待ってなさいって言ったでしょ。     もう、そんな所で泣かないでよ。よだれで床がベトベトじゃないの」と言った。    私は回覧板を持って玄関の外へ出た。    家の奥の方から航太の鳴き声が小さく聞こえた。    私は<まだ泣いている。よだれと涙でグチャグチャになってるんだ。あ〜あ、もう、いや!     全部、放り出してしまいたい。     こんなに大変でも、やっぱり母親として、子どもの気持ちを受け止めてあげなくちゃいけないのかしら。     でも、私には、そんなことできない。どうしたらいいの?誰か助けて!>と思った。  ☆★☆ なんでこんなに感情的になってしまったのだろう ☆★☆  記述を書き終えてから、私は、記述を読み返してみました。  読み返したとたん、私は、ひどい自己嫌悪に陥ってしまいました。    記述の最後で、  私は<こんなに大変でも、やっぱり母親として、子どもの気持ちを受け止めてあげなくちゃいけないのかしら。     でも、私には、そんなことできない。どうしたらいいの?誰か助けて!>と思っています。    記述を書いていた時、私は<こんなに大変なんだから、こんなふうに思ったって当然だわ>と思っていました。  けれども、記述を書き終え、読み返してみると、  このときのことが、さほど“大変な”こと、とは感じられなかったのです。    <たかが留守番のことぐらいで、何で、こんなに感情的になってしまったんだろう>    自分が、“ささいなことで、勝手に腹をたてて、子どもにどなり散らし、泣かせている母親”のように思え、  記述の中の自分を見つめることがいやになってしまいました。  ☆★☆ そう思わざると得なかった気持ちを受けとめてあげましょう ☆★☆  次の講座の時、私は、そんな自分の気持ちを先生にお話してみました。    先生は、うなずきながら、私の話を黙って聞いてくださいました。  そして、私が話し終ると  「記述を読み返してみたら、このときのことを“大変なこと”とは感じられなかったのですね。   それで、この程度のことで、感情的になってしまったご自分が、いやになってしまわれたのですね。   記述を書き、読み返すことで、いやな自分の姿が、見えて来てしまって・・・。   とてもおつらい経験をなさいましたね。     確かに、今振り返ってみれば、その時のご自分の姿は、認めがたいものかもしれません。   けれども、佐藤さん。   この時、佐藤さんの中には、  “こんな大変なこと、私には耐えられない”と思わざるを得なかったお気持ちがおありだったのではないでしょうか。     そのとき、そう思わざるを得なかったお気持ちを大切に受けとめ、いつくしんであげましょう。   航太君の様子に、《もう全部ほうりだしてしまいたい》と思われた佐藤さんの気持ちも、   かけがえのない佐藤さんご自身の大切なお気持ちなのです」とおっしゃいました。    先生の言葉は、私の心の中に、あたたかく響きました。  けれども、私の中には、まだ、釈然としない思いが残っていました。  ☆★☆ 認め難い思いを十分に味わいつくす ☆★☆  記述の中の私のセリフや心のセリフを読み返してみると、  この時、私が航太に対して、本気で腹を立て、憎らしく思っていたことがわかります。  ありのままの気持ちをそのままに受けとめる、ということは、  そんな子どもに対する腹立ちや憎しみをも大切に受けとめる、ということなのでしょうか。 「私は、この時、航太に対して、腹立ちを感じています。  あまり認めたくはありませんが、憎しみさえ感じています。  私は、これまで、親として、子どもに対して、  そのような感情を抱くことは、いけないことだと思ってきました。  けれども、先生は、どんな思いも、ありのままに認めましょう、とおっしゃいました。  子どもに対する腹立ちや憎しみを、  その時は、そう思わざるを得なかったんだ、と認めてしまって良いものなのでしょうか。  そんなふうに自分を甘やかしていたら、  今よりももっと、感情にまかせて子どもを叱るようになってしまうのではないかと心配なのですが・・・」  そう先生に聞いてみました。    先生は「佐藤さんが、《子どもに対して、腹立ちや憎しみを感じるなんていけないことだわ。  そういう感情は抑えるようにしなくちゃ》と思ったとしましょう。  それで、問題が解決するでしょうか。  佐藤さんは、これまでだって、  《子どもを憎むべきではない。子どもを愛さなくてはいけない》と思って来たのですね。    それで、そう思って、子どもをかわいいと思えるようになったのでしょうか。    憎んではいけないと思えば思うほど、  かえって航太君にイライラすることが多くなったのではないですか?    佐藤さん。航太君を憎い、と思うお気持ちを、そのままに受けとめる、  と言うことは、そう思うことを善しとする、ということではありません。  《私は航太を憎いと思っていたんだな》と、  航太君を憎く思う自分の気持ちから目をそらさずに、十分に味わいつくすことなのです。    子どもを憎いと思いたい親なんて、きっと一人もいないことでしょう。  もし、自分の中に子どもを憎む気持ちがあったことに気づいたなら、  どんな親でも、自分を責めるような気持ちになることでしょう。  子どもを憎む自分を認め難く感じることでしょう。  けれども、認め難い思いから目をそらせている限りは、その思いから自由になることは出来ないのです。  認め難い思いをそのままに味わうことで、  自然とその思いから自由になってゆくのです」とおっしゃいました。    私は、先生の言葉を聞いてはっとしました。  私は、航太に対するいら立ちが日増しに強くなっていく自分に不安を感じていました。  <こんな子いなくなってしまえばいい!>  <思いっ切り、ひっぱたいてやりたい>と思っている自分に、自分でもこわくなっていたのです。  けれども、そんな自分の気持ちをどうすることも出来ずに、悩んでいたのです。  私は、自分を責めずにありのままの思いを見つめてみよう、と思いました。  そうすることで、本当に自分の中から、  航太に対する憎しみが消えてゆくものなのか、確信は持てませんでした。  けれども、私の気持ちをそのままに受けとめてくれた先生のおっしゃることを、私は信じてみようと思ったのです。    私は再び、探究に取り組みました。  ☆★☆ 幼稚園に行けなかったことにこだわっていた私 ☆★☆  私は、もう一度、記述を読んでみました。    まず、感じたのは、<私って、ずいぶん四歳ということにこだわっているな>ということでした。  “「もう四歳なんだから、少しぐらいお留守番できなくちゃ、おかしいでしょ」”  “<四歳にもなって、まるで赤ちゃんみたい>”  私には、四歳になったら留守番くらい出来なくてはおかしい、という思いがありました。  <でも、なぜ“四歳”なのだろう?>私の中に、新たな疑問が起こってきました。    私は、「四歳なんだから・・・」と言っている時や、  <四歳にもなって・・・>と思っている時の自分の気持ちを、もう一度、思い起こして、  心のセリフにして書き加えてみました。  <四歳なんだから、少しの間くらい私から離れられるようにならなくちゃ。   よその子は、お母さんから離れて、楽しそうに幼稚園に行ってるじゃないの>  <四歳にもなって、まるで赤ちゃんみたい。普通だったら幼稚園にだって行ってるはずでしょ。   幼稚園に行っている子は、どんどんしっかりしているのに。航太だけだわ。   四歳にもなって、こんなに幼いのは>  心のセリフは、このように書きふくらみました。  これらの心のセリフを書きながら、  私は<ああ、私は、今年、航太が幼稚園に入れなかったことに引っかかっていたんだな>と気づきました。    私は、航太が幼稚園に入るのを先に延ばした時、自分なりに気持ちの整理をつけたつもりでした。  本当は、入園してほしかったけれど、それができないのなら、  航太の気のすむまで航太の相手になろう、と割り切ったつもりだったのです。    でも、私は入園を見合わせねばならなかったことがとても残念だったのです。  記述の中には、その思いをずっと引きずっている私がいたのです。  “他の子は、親から離れて幼稚園に行っている。   それなのに航太は幼稚園に行けなかった”この思いが私にあせりを生じさせていました。    私は、幼稚園に入ることができなかった航太に対して不満をかかえながら、  それを抑えて航太と付き合い、毎日をイライラと過ごしていたことに気づきました。  ☆★☆ 無理な子育てをしていた ☆★☆  次の講座の時に、私は心のセリフを書き加えた記述と、気づいたことをまとめたものを、先生に提出しました。  すると、自宅に、先生のコメントがたくさん書きこまれたリポートが送られてきました。    先生のコメントは、私の気持ちを受けとめて下さる思いにあふれていて、胸が熱くなりました。  私の気持ちをわかってくれる人がいるんだ、ということがとても励みになり、  さらに、探究を進めよう、と言う意欲が生まれてきました。    ただ、先生からいただいたコメントの中に、ちょっと引っかかるコメントがありました。    このコメントは、記述の  『どうしてほんの少しの留守番もできないの。ママはいつも、航太とずうっと一緒じゃないの。   朝から晩まで、毎日航太に付き合ってあげているじゃない』というセリフについていました。  「佐藤さんの中には、航太君に、“つき合ってあげている”という思いがおありなのですね。   この表現に中に、   佐藤さんのお気持ちが、たくさん込められているように感じられたのですが、いかがでしょう。    例えば、<本当は、つき合いたくないのに、無理してつき合っているのに>というような・・・。    この時、“つき合っている”とお書きにならずに、  “つき合ってあげている”とお書きになったお気持ちを、ちょっと見つめて見ましょう」    私は、何の気なしに、“つき合ってあげている”と書きました。  そこに、私の気持ちが込められている、  と言われても、どんな気持ちをこの言葉に込めているか見当がつきませんでした。    けれども、確かに、私は“つき合っている”という書き方ではなく、  “つき合ってあげる”という書き方をしています。  そして、“つき合っている”という書き方より、  “つき合ってあげる”という書き方の方が、ずっと恩着せがましいような感じがします。    私は、この時の思いをよく思い返しながら、もう一度、記述を良く読み返してみました。    すると、この時、“無理してつき合ってあげてるのに、人の苦労も知らないで!”  というような思いがあったことが見えてきました。    そうです。先生が書かれた通り、私は本当は、一日べったりと航太につき合いたくなかったのです。  つき合いたくないのに我慢してつき合ってあげていたのです。  <どうして我慢までして航太につき合っていたんだろう>私の中から、こんな疑問がうまれてきました。    けれども、すぐに、その答えに気づくことはできませんでした。  ☆★☆ 自然に答えが見えて来るまで待ってみよう ☆★☆  次の講座の時、私は先生に、先生のコメントから、自分でも気づかなかった自分の深い思いに気づいたこと、  そして、さらに新たな疑問が生まれて来たことをお話ししました。    そして、その疑問に対する答が、なかなか見えて来ないので、  もどかしいような落ち着かなさを感じている、とつけ加えると、  先生は「あせって、答を出す必要はありません。  佐藤さんの気持ちにぴったりとした答は、時が来れば、きっと、自然と思い浮かんで来ることでしょう。  それまで、その疑問を抱き続けるということが大切なのですよ」とおっしゃいました。    私は、無理に自分で答を導き出さず、自分の中から答が見えて来るのを待ってみようと思いました。  ☆★☆ 航太に後ろめたさを感じていた ☆★☆  それから一週間ほどたったある日、夕食のしたくをしていた時のことです。  突然、<ああ、そうか。  私は、“航太が親離れしないのは私の責任なんだから、  航太が親離れするまで、相手をしなければいけないのは当然だ、と感じていたんだ。  それで無理をしてでも、航太の相手をしなければいけない、と思い込んでいたんだ>と気づいたのです。    この答が見えて来た時、私は、何かが私の胸の中に落ち着くのを感じました。  ジグソーパズルの最後の一ピースを、所定の位置にはめ終えたような、不思議な安堵感を感じたのです。    私は心の奥底で、航太がいつまでも親離れしないのは、  私の育て方が悪かったせいかもしれない、という後ろめたさを感じていたのです。  そして、その思いから、たとえ自分がどんなに疲れていても、  無理をしてでも、航太につき合っていたのだと思います。  考えてみれば、私はこれまで、航太と一緒にいたいと思って、一緒にいたことなどありませんでした。  いつも一緒にいなくてはいけない、と思って、一緒にいてあげていたのです。    私は、ずいぶん無理な子育てをしていたんだな、と思いました。  ☆★☆ 自分の思いに共感できた ☆★☆  自分の思いが少しずつ理解できていくに従って、私の気持ちは次第に明るくなって行きました。    自分の育て方が悪かったのではないかという不安から、  早く他の子と同じようにさせようというあせりが生じたこと。  あせればあせるほど、思うように反応しない息子に腹を立てたこと。  腹を立てては、息子を傷つけるような言動をとったこと。  その後で、そんな自分がたまらなくいやになっていたこと。  そして、こんな親だから、航太がこんなふうになってしまうんだ、と、さらに不安になっていたこと。  自分の心のからくりが見えてくると、不思議なことですが、  自分に対して、とてもやさしい気持ちになれるようになってきました。  <出口のない堂々めぐりの中でもがいていたんだな。   でもこの時はそうするのが精一杯だったんだ。   これでも私なりには一生懸命だったんだ>いつの間にか、そう思えるようになっていたのです。  ☆★☆ 落ち着いて航太を見守れるようになった! ☆★☆  私の気持ちが軽くなると、航太に対する対応の仕方も、自然に変わってきました。    以前のように、イライラしながら航太に対するのではなく、  落ちついて航太の様子を見守れるようになって来たのです。    航太の様子を良く見るうちに、  これまで、全く理解できなかった航太の気持ちが、少しずつ見えてきました。    私から離れ、一人で何かをしようとする時に感じる不安、  ほかの子どもたちの中に入っていく時に感じるためらいなどが、  実感として感じられるようになって来たのです。  すると、自然に「一人でやってみるの、初めてだもんね。ちょっとドキドキしちゃうね」とか  「しらない子ばっかりで、声かけにくいかな」とか言うような言葉が、口をついて出て来るようになりました。    私が変化するにつれて、知らず知らずのうちに航太も変化してきたようです。  ある時、こんなことがありました。                      以下、次号(後半)へつづく・・・    ・・★・・ 編集後記 ・・★・・  日々、社会の状況と天候の変化を感じながら  蝉が鳴き始めました。  2021年、後半に入りました。  一年の前半を振り返り  後半へと思いを馳せています。  暑さに向かい、日常の流れのなか  身体の変化、ありのままの自分の気持ちを、  見つめ直す大切な機会になるかもしれません。    新型コロナウィルス感染症による影響は  現在も続いています。  日々の生活の中で、  季節の変化、身体の変化に目を向けつつ  記憶をたどっています。  改めて、いま一度  何を大切にしていくか、  思い巡らせて、生活したいと思います。  ちょっと立ちどまり   深呼吸してみましょう。   自分の心の変化に  気づく機会になるかもしれません。  目まぐるしく過ぎてゆく生活の中で、  息を抜く時間を大切にしたいものです。  皆さまとご一緒に考える機会となれば、  嬉しく思います。  ご一緒に考えてまいりましょう。  次回を、どうぞ、お楽しみに!  皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp    ☆★☆ 2021年度 授業力向上夏期研修会 ☆★☆   オンラインで児童・生徒のコミュニケーション力UP!   生徒のコミュニケーション力を高め、意欲を引き出す  セルフ・カウンセリングとは一人でできる自己発見法です。  東京学芸大学と一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会は、  2008年秋より、 「セルフ・カウンセリング(自己発見学習法)による  教員の授業力向上」をテーマとして、 共同研究を行っています。  毎年、中学校での生徒指導や、小学校での学級経営、教材開発、  学級づくりなどを実践された 先生方が報告を行っています。  昨年は、新型コロナの影響で中止いたしましたが、今年は、  リモートでの開催を実施します。 テーマは  「オンラインで児童・生徒のコミュニケーション力UP!」といいたしました。  1. 自発的な学習を引き出す     セルフ・カウンセリング・メソッドによる教材開発・学級づくり  2. 友だちとより良い交流ができる     セルフ・カウンセリング・メソッドによる生徒指導  3. 授業中の児童・生徒の気持ちを読み取れる     セルフ・カウンセリング・メソッドの学級経営  以上の教育実践を報告し、同時にその方法の演習を行います。 ご関心のある方は、どうぞ、ご参加下さいますようご案内申し上げます。  開催日時 2021年  8月12日(木曜日)13:30〜16:00     参 加:職場・自宅などからリモートでの参加になります。      お申込頂いた方には、参加に必要な情報を郵送とEメールでお送りします。  主 催  東京学芸大学教職員大学院       一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会  共 催  NPO法人セルフ・カウンセリング普及協会           詳しくお知りになりたい方はこちらから    →http://www.self-c.net/society/info/2021/kaki_2021.html  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html      →https://www.self-c.jp/学ぶ-セミナー紹介/通信講座で学ぶ/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会    〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** ************************************** ◎このメルマガに返信すると発行者さんにメッセージを届けられます ※発行者さんに届く内容は、メッセージ、メールアドレスです ◎セルフカウンセリング♪自分の心に出会えるメルマガ♪