※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                            セルフ・カウンセリング          ♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪             ( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                     第 354 号  2021 年 12月  1日 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※    新型コロナウィルス感染症の影響で苦しみのうちにあるすべての皆さまへ    心よりお見舞い申し上げます。    またその方々のために献身的に働いておられる医療関係者の皆さまへ    そして社会のライフラインを維持するために働かれている皆さまへ    感謝申し上げますとともに一日も早く元の平穏な日々に戻りますことを    心よりお祈りいたします。     **************************************    みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」    334号〜 新連載「わかっていてもイライラするお母さんへ」  バックナンバーはこちら→ https://secure02.red.shared-server.net/www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「わかっていてもイライラするお母さんへ」       幼児の心が見えてくるセルフ・カウンセリング                                  渡辺康麿著  より抜粋                         ( vol . 21 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          ─ お母さんたちのセルフ・カウンセリング体験記 ─             ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++        8 幼稚園なんて            やめてしまいなさい!            登園拒否の娘を            見つめ続けて          吉岡雅美            ありのままの子どもの気持ちを受けとめたい                ( 体験記 8 ー 後半 )      前号からの続きですので、バックナンバー353号から      お読みいただくとわかりやすくなっています。  ■場面 〈2〉  【状況説明】  私が五歳か六歳の頃。  道端でレンゲの花をつんでいたとき、たまたま、近所のおばさんたちが母の悪口を言っていのが耳に入って来た。  (母は、二回りも歳の違う父のもとに、後妻に入っていた。   近所の人たちは、『あれは、財産目当てに違いない』とかげ口をたたいていたらしい)    私は、おばさん達にむかって「お母ちゃんは悪くない!」と言い返した。  それから、数日後のこと。自宅の茶の間で。  【場面記述】  母は「○○おばちゃんに言われたけど、雅美は、おばちゃん達に何かいいかえしたんだって?」と言った。  私は<あっ、この間のことかな?>と思った。  母は「○○おばちゃんは、『雅美ちゃんは小っちゃいのに、恐い。ちゃんと大人の話を聞いているんだもの』     言ってたよ」と言った。  私は<やっぱり、あの時のことだ。おばさん達、あの時のこと、お母ちゃんに言ったんだ。     でも、おばちゃんたちは、あの時、お母ちゃんの悪口を言ってたんだよ>と思った。  私は母の顔を見た。  母は「大人の人に言い返したりするもんじゃない。そう言うのを口答えというんだ。     子どもは口答えをしちゃいけないんだよ」と言った。  私は「だって・・・。お母ちゃんの悪口言ってたんだよ・・・」と言った。  母は「それでも、言い返しちゃいけないの。わかったわね」と言った。  私は<どうして?お母ちゃんは悪口を言われても平気なの?>と思った。  私は母を見た。  母は「まだ、わからないのか!お前は、どうして、お母ちゃんの気持ちがわからないの!」と言った。  私は<お母ちゃんのために言い返したんだよ。お母ちゃん、何で私の気持ちわかってくれないの?     どうして私が悪いの?>と思った。  私は「だって・・・」と小さく涙声で言った。  私の目から涙がこぼれ落ちた。  母は「お母ちゃんがこんなに我慢してるのに、雅美がそれじゃなんにもならないじゃないか!」と言った。  私は<お母ちゃん、怒ってる。どうして?わかんないよ。お母ちゃんのために、言い返したのに・・・>と思った。     ☆★☆ 母から“ありがとう”と言われたかった ☆★☆  この場面は、私にとって、思い起こすのもつらい場面でした。  けれども、私は、くじけてしまいそうな気持ちを奮い立たせ、何とか、記述を書き終えました。  そして、書き上げた記述を、何回か読み返してみました。  始めは、読み返すことに、当時の憤りがよみがえって来て、  <お母ちゃんは、どうして私の気持ちをわかってくれないの>  と母を責めるような気持ちで胸が一杯になってしまいました。  けれども、不思議なことですが、くり返し読み返すうちに、次第にその気持ちが落ち着いて来ました。  気持ちが落ち着いて来た時点で、次に、私は、自分の欄だけを読んでみました。  私は心の中で、  <お母ちゃんのためを思って言ったのに、どうしてお母ちゃんは喜んでくれないの。   わたしの気持ちをもっとわかってほしい>と何度も訴えていました。  そんな心のセリフを読むうちに、ふと、  <結局、私は、母から“ありがとう”と一言、言ってもらいたかったんだ>と思いました。  そう気づいた時、私の体から、すっと力が抜けてゆくのを感じました。    ☆★☆ 母も、葛藤を抱えていたのかも知れない ☆★☆  次に、私は、記述の相手の欄だけを読んでみました。  すると、不思議なくらい、このときの母の気持ちがよくわかるような気がしました。  商家の若い後妻という立場から、多くの中傷を受けながら、母はそれに黙って耐えていました。  そんな母の気持ちが、このとき、初めて実感として理解出来たような気がしました。  私は、母からいつも責められていたという思いを抱いてきました。  けれども、この記述の母の所を読む限り、母は私のことを責めてはいませんでした。  「大人に言い返してはいけない」とは言っても「なぜ、言い返したんだ」と責めてはいないのです。  むしろ、「頼むから」と私に懇願すらしているのです。  自分の思いから離れて、母のセリフを読んでいるうちに、  <母は、本当は私を責めたかったのではないかしら。   けれども、そうしてはいけない、と自分を抑えていたのではないかしら。   私が智子にしていたのと同じように、母も、自分の中に葛藤を抱えながら私に対していたのかもしれない。   もし、そうだとしたら、母も苦しかったんだろうな>という思いが、私の中から起こって来たのです。  何だか、母がとても身近な人のように思えてきました。  私の中で、母に対するわだかまりが、薄らいでゆくのを感じました。  ☆★☆ 気持ちを聞いてあげることが一番大切なんだ ☆★☆  今、この記述を読むと、  私も、母も、お互いに、“私の気持ちをわかってほしい”という思いで一杯であったことがわかります。  もし、母が、一言「雅美の気持ちはわかった。お母ちゃんをかばってくれたんだね」と受けとめてさえくれれば、  私は、それで満足し、母の話をもっと素直に聞けたように思います。  私は、私と母のやりとりを、私と智子のやりとりに置き換えてみました。  私の母と同じように、私は今まで、智子の気持ちを聞いて来ませんでした。  私は<智子も、あの時の私が思ったように、     もっと自分の思いを私に受けとめてほしいと思っているのかもしれない>と思いました。  私は智子の気持ちを聞いてあげることが一番大切なことだったなぁ、と理屈抜きに思いました。  ☆★☆ 「先生は元気な子が好きなんだもん」 ☆★☆  ある日の昼下がり、私は、智子に、なぜ幼稚園に行きたくないのか、聞いてみました。  その日も、智子は幼稚園を休んでいました。  智子は、幼稚園のことをいろいろ話してくれました。  始めは、なぜ幼稚園に行きたくないのか、ということとは全く関係のないことを、智子は話し続けました。  私は、智子の話に「うん。うん」とか「それで、どうしたの?」とか、あいづちをうちながら、  智子の話に耳を傾けました。  話し始めて一時間ほどたった頃です。  智子は、ぽつんと、「真由美先生(担任の先生)は智子のこと嫌いなんだよ」とつぶやいたのです。  私は「何でそう思うの?」と聞いてみました。  すると、智子は「真由美先生は、元気な子が好きなんだもん」と小声で言いました。  それから、ぽつりぽつりと、話し始めました。  若い元気な先生に、智子が圧倒されてしまい、自信を失ってしまっていたことが、  智子の話から少しずつわかってきました。 「智子ちゃん!お部屋にばかりいないで、お外でおにごっこしよう!」 「智子ちゃん、お返事、もっと大きな声でできるかな?」  そんな先生の一声、一声が智子には、負担に感じられていたようです。  私は<先生が智子の気持ちを引き立てようと一生懸命に声をかけてくださったことが、裏目に出てしまったんだな。     もっと早くに智子のこんな気持ちを聞いてあげればよかった>と思いました。  幼稚園の連絡帳に、親子でゆっくり話し合う機会があったことや、その時に聞くことの出来た智子の気持ちなどを、  ありのままに書いて先生にお出ししました。  翌日、先生から、お手紙をいただきました。  そこには「智子ちゃんの気持ちが、とてもよくわかりました。  智子ちゃんの気持ちをお知らせいただき、本当にありがとうございました。  これから、少し、智子ちゃんの気持ちを聞いてあげるようにしてみようと思います。  そして、私からは、  “先生は智子ちゃんが大好きなんだよ”ということを出来るだけ伝えるようにしてゆきたいと思います。  また、何か気づいたことがありましたらお知らせください」と書かれていました。  私は、先生が、智子の気持ちを理解してくださったことに、ほっとしました。  ☆★☆ 智子も成長したな ☆★☆  その後、智子は幼稚園に行ったり、行かなかったりをくり返していました。  が、そんなある日のこと、先生からの連絡帳にこんなことが書かれていたのです。 「今日は智子ちゃんの方から、『先生!今日は、どうしてお外に出ようって言わないの?』と言われました。  私が、『風邪をひいているお友達が多いし、雨も降りだしそうだからよ』と言うと、  『だって、子どもは風の子なんだよ。先生いつもそう言ってるのに』と言われてしまいました。  そこで、モモ組の元気さん達で智子ちゃんの好きな手つなぎおにをして遊びました」  私は、自分から先生やお友達の中に入って行こうとする智子の姿に、  <智子も成長したなぁ>と、とてもうれしく思いました。  智子を育ててゆく中で、これからも、さまざまな問題にぶつかることと思います。  そんな時は、今回のように、  セルフ・カウンセリングで、智子とのかかわりを見つめなおしてみたいと思っています。  子どもの気持ちを一つでもたくさん受けとめられるようなお母さんになることが、今の私の願いです。                           つづく・・・  次回は    「 セルフ・カウンセリング運動の歩み 」    をお送りいたします。        どうぞ、お楽しみに!    皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html              →https://www.self-c.jp/学びたい/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会    〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** **************************************