みなさんにお話ししたい内容は、いわゆる人生観でもなければ、人生論でもありません。
私が、ほぼ半生をかけて創り上げてきた『全自己形成学』という新しい学問です。
私が小学生の時、日本は、敗戦を迎えました。
私の担任の老教師は、敗戦前までは、私たちに民族のために生き、死することをすすめました。
たった数ヶ月の間のうちに、その先生の価値観が、百八十度、方向転換したことに、驚きました。
私のうちに、日本の大人全体への不信感が生まれました。
不信感を抱いたまま、中学校に進みました。中学校で、一人の若い担任の先生に出会いました。
その先生は、私にプリントを渡し、「これからの日本は、ここに書かれている方向を目指してゆかなければならない。」と言いました。
それは、日本国憲法でした。その日本国憲法の第十章まで読み進んできた時のことです。
まず、日本国憲法が最高の法規であることが謳われていました。
子どもの私は、この日本国憲法は、究極の生き方を示しているのだ、と受け取りました。
この章では、民主憲法であることにも、平和憲法であることにも、触れられていませんでした。
ただ、基本的人権についてのみ、書き記されていました。
まず第一に、基本的人権が、過去幾多の試練に堪えてきたことが、書き記されていました。
そして、おわりに、この基本的人権は、現在及び未来の国民に対し、
侵すことのできない永久(永遠)の権利として、信託されたものである、と書き記されていたのです。
私の人生の方向を決定したのは、この最後の一節でした。この一句が、私の胸に刻み込まれ、
私は、一生涯の課題として、『全自己形成学』という学問を創り出してきました。
みなさん、お一人おひとりの人生は、誰ともとりかえることのできないかけがえのない人生です。
この究極の真理に立って、新しい道を見出してみませんか。
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