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活動内容
職業選択とセルフ・カウンセリング(3/6)
 

Mさんの就職活動 −セルフ・カウンセリングを通して−

 Mさんは、特に面接試験について、心配していました。あがり症なので、面接官の前に出ると、何も考えられなくなってしまうからです。

 面接の練習は一人ではできません。どうすればいいのだろうと、思い悩んでいた時、Mさんは、教育実習の時のことを思い出しました。

 私は、教育実習をする学生に、いつも、次のようなことを言っていました。授業の前に、まず自分の発問と、それに対する生徒の答えを予想して書き出すこと。それから、生徒たちからどんな質問が出るのかも、自分で予想し、さらに、それに対する答えを、自分なりに書いてみること。この二つです。

 具体的な質疑応答を、いくつも書いておくと、落ち着いて生徒に向かうことができます。その時、大切なのは、頭の中で考えるのではなく、紙に書いてみる、ということなのです。紙に書くと、客観的に自分の答えを吟味できるからです。

Mさんは、その時の経験を思い出したのです。そして、面接での質疑応答を、自分なりに予想して書いてみることを思い立ちました。

 まず始めに、その会社への志望理由を書いてみたのですが、そこで、Mさんは、躓いてしまいました。

 「なぜ、我が社を選んだのですか」という問いかけに対して、『御社の事業内容がすばらしいと感じたからです』というような抽象的な答えしか思い浮かばないのです。

もう少し詳しく表現しなくては、と思い、『御社の文化的で教育的な事業内容は、すばらしいと感じたからです』と書き直してみました。

 Mさんは、書きながら自分でもなんだか気恥ずかしくなってきました。これでは会社のパンフレットに書かれていることをただ引用しているだけです。

 第一、就職試験を受けに来た一学生が、将来上司に当たる立場になるかもしれない方に向かって、言うべき言葉ではありません。

 何度書き直しても、結局自分で納得のゆく文を書くことはできなかったのです。

Mさんは、それまで、何社かの面接を受けていました。その時も、こう聞かれたら、こう答えよう、と前もって考えてはいました。けれども、ただ、頭の中で考えるだけで、ノートに書き出すということはしていませんでした。

自分の思っていることを文章に書くということは、本当に難しいことなんだと、Mさんは、あらためて気づきました。

 私は、Mさんに、セルフ・カウンセリングの方法を使って、自分の気持ちを見つめてみてはどうか、そうすれば、何か解決策が見つかるかもしれない、と言いました。

 Mさんは、『志望理由を書いているとき』の自分の思いを、『心のセリフ』として書き表してみました。

 
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