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職業選択とセルフ・カウンセリング (6/6) |
□無事合格して やがて、一次試験の合格通知が、Mさんの元に届きました。 Mさんは、最終面接に向けて、もう一度会社の資料類に目を通しはじめました。そのとき、それまでとは違った観点から、会社の資料を読んでいる自分に気づきました。 それまでは、何気なく読んでいた文の端々から、会社がどのような人材を求めているかが、読みとれるようになってきたのです。 この会社は、こんな人材を望んでいるんだな。それなら、私のこんな体験をこんな風に表現すれば良い、というように―。 Mさんは、より深く、会社研究ができるようになってゆきました。 最終面接では、一次面接よりもさらに、落ち着いて受け答えをすることができ、Mさんは、希望通りの会社に就職することができました。 □よりよい就職のために 就職が決まったことを報告にきたとき、Mさんとゆっくり話す機会がありました。Mさんは、始めは、就職活動の『成功』とは、自分がいかに、有能な人材であるかを、上手にアピールして、有名企業から、高く評価してもらうことだ、と思っていた、と言いました。そのため、就職活動を始めるときは、自分を飾り立てることに必死になっていた、というのです。 また、セルフ・カウンセリングをするまでは、Mさんには、会社が何を求めているのか、よく分からなかったので、会社に対して、必要以上に卑屈になっていたそうです。 会社に対して、自分が何を求めているのかを、しっかりとつかめたときに、はじめて、Mさんは、会社が就職希望者に何を求めているのかを読みとることができるようになったのです。 Mさんは、セルフ・カウンセリングを通して、就職活動というのは、あるがままの自分を生かせる会社を発見するための活動なのだ、と思うようになりました。そう思えるようになって、Mさんは、自信を持って、試験にのぞめるようになったのです。もし、セルフ・カウンセリングで自己探求しないで、そのままどこかの会社に就職していたとしたら、自分を見失って不安なまま、社会人になっていたのではないかと、Mさんは、語ってくれました。 私は、玉川大学を退任しましたが、今後も、セルフ・カウンセリングを通して、一人でも多くの学生たちが、現在の大学生活を少しでも有意義に過ごすことができ、さらには、よりよい会社選びと、よりよい職業生活ができるように、支援してゆきたいと考えています。 |
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